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季節外れの寒さ “昭和プライス”守るおでん屋は期待と不安 売れれば売れるほど…

2022年10月26日 21:44
季節外れの寒さ “昭和プライス”守るおでん屋は期待と不安 売れれば売れるほど…

東京都心は26日、“今シーズン一番”の寒さとなりました。この季節外れの寒さで心配なのが、光熱費です。東京・品川区の商店街にある“昭和プライス”を守り続けるおでん屋は、期待と不安を抱えていました。

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東京・足立区で26日午前8時ごろ、半袖姿で歩いていた人に声をかけました。

――会社に行かれるんですか?

「そうです」

季節は秋なのか冬なのか、そのような迷いが無意識のうちにこの半袖姿に表れていたのかもしれません。

早朝の東京・足立区の河川敷では、犬の散歩をする人から「寒いですよ(散歩していると)。普通、汗ばむけど、汗ばまない。ということは、本当に寒いんですね!」との声が聞かれました。

26日の東京都心の最低気温は9.5℃と1ケタ止まりで、今シーズン一番の“本当に寒い朝”を迎えました。その上、河川敷ということで冷たい北風がビュービューと吹きすさぶ中、犬の散歩をする人は「全然、この子は元気ですよ。ワンちゃんは元々、毛皮を着ているから…」と話していました。

元気なのはお散歩中のワンちゃんぐらいかと思いきや…。ベンチの丸みを活用したストレッチに、遊具を活用した高速運動…と、今シーズン1番の寒さを楽しんでいるような“元気なシニア男性”がいました。

ただ、本当のところを聞くと、男性は「動いていないと寒いから」と話し、運動をやめるとすぐ寒くなるので体を動かさざるを得ないだけでした。

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東京都心では26日、すがすがしい青空が広がり、日中は半袖や腕まくりで過ごせるほどでした。しかし、6時間ほど遡った朝には…。午前7時ごろに新橋駅前にいた男性に話を聞くと、「北海道に帰った感じがするぐらい、寒い感じ。オホーツクの方に住んでいたので、やっぱり流氷が冬、来たりとか」との声が聞かれました。“故郷の光景を思い出すほど”だといいます。東京都心は26日、“今シーズン一番”の寒さとなり、最低気温は9.5℃なのに対し最高気温は18.9℃と、日中との寒暖差も激しい1日となりました。

10歳ごろまでブラジルで生活し、日本に移住してきたという女性は、地面に顔を向けて生まれ故郷ブラジルに向かって、母国語で“日本の寒さ”を叫んでいました。

――それって何っていう意味ですか?

10歳ごろまでブラジルにいた会社員(30代)
「寒いよ~(という意味)」

その後、日本語でも「寒いよ~」と叫びました。

26日は、日本各地でも“冬さながら”の光景が広がりました。全国の半数以上の地点で“今シーズン一番”の寒さに見舞われました。

ブラジルに“日本の寒さ”を叫んでいた女性が心配していたのは、高騰する電気、ガス代などの光熱費です。

10歳ごろまでブラジルにいた会社員(30代)
「暖房つけましたね。怖いですね、請求書が」

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東京・品川区の商店街にある“町のおでん屋”は、期待と不安を抱えています。今月は寒い日が多いため、売り上げは先月よりも倍近くに増えていますが――

後藤かまぼこ店 後藤直美さん
「ガス代も、冬場は見たくないですね。上がっていたからって、どうにもなるものでもないし」

このお店では、ほとんどのおでん種が100円以下と“昭和プライス”を守り続けています。自家製の練り物を揚げるのにも、おでんを保温するのにもガスを使うため、売れれば売れるほど負担が重くのしかかります。

後藤かまぼこ店 後藤直美さん
「(値上げできても)2円とか3円とかの世界なので、(値上げは)個人店だと死活問題になっちゃう可能性もあるので」

光熱費が心配な、季節外れの寒さです。

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また、月末のハロウィーンに向け心配されるのが、24時間以内に台風に発達する見込みの「熱帯低気圧」です。沖縄に影響を及ぼす可能性があり、今後の情報に注意が必要です。