気象庁「特段の変化は観測されず」 南海トラフ発生の可能性評価…定例検討会で
気象庁は南海トラフで巨大地震発生の可能性を評価する定例の検討会を開き、先月は、巨大地震に影響を与えるような地震活動はなく、「特段の変化は観測されなかった」とする見解をまとめました。
気象庁は今後30年以内の発生確率が70%から80%とされる南海トラフ巨大地震について、専門家による定例の評価検討会を開き、想定震源域でおきた地震や観測データの分析をおこないました。
気象庁によりますと先月1日から今月5日までの間に南海トラフ巨大地震の想定震源域とその周辺では、マグニチュード3.5以上の地震が2回発生したということです。
先月12日には、愛媛県と大分県の間にある豊後水道を震源とするマグニチュード3.6の地震が発生しました。
また、今月2日には和歌山県南方沖でマグニチュード4.2の地震がありましたが、これらの地震について検討会は「特に目立った地震活動ではない」と評価しました。
一方、静岡県御前崎などで長期的に観測されている地盤の沈降はフィリピン海プレートの沈みこみに伴うものでその傾向に大きな変化はないとしています。
検討会は、こうした観測結果を総合的に判断し南海トラフ周辺で「特段の変化は観測されなかった」とする見解をまとめました。
しかし、評価検討会の会長で東京大学の平田直名誉教授は、変化を示すデータは観測されていないものの、依然として大規模な地震が発生する可能性は高い状態のため、引き続き地震への備えを進めてほしいと呼びかけています。