被告「話したくありません」と黙秘貫く 交際相手への殺人未遂と放火の罪に問われた女の裁判員裁判
おととし、美郷町で、同居していた交際相手の男性を殺害しようとしたうえ、家に火をつけた罪に問われている女の裁判員裁判で、被告人質問が行われました。
女が「話したくありません」と黙秘を貫いたのに対し、検察は「思い出のある家ごと消し去ろうと思った」などという内容の、女の供述調書を証拠として提出しました。
起訴されているのは、住所不定の無職、戸澤彩香被告、28歳です。
起訴状などによりますと、戸澤被告は、おととし5月、美郷町六郷の住宅で、同居していた交際相手の30代の男性を包丁で刺して殺害しようとしたとして、殺人未遂の罪に問われています。
また、住んでいた家に火をつけ、全焼させたとして、現住建造物等放火の罪にも問われています。
この火事では、火元を含む11棟の住宅が焼けました。
20日の裁判員裁判では、被告人質問が行われ、検察や裁判長が供述を求めました。
しかし。
「話したくありません」
戸澤被告は黙秘を貫きました。
秋田地方裁判所の岡田龍太郎裁判長から「どういった質問でも黙秘しますか?」と問われると静かにうなずきました。
これに対して検察は、戸澤被告が逮捕のあと、警察などの調べに対し、「ほかの女と浮気していたのを見つけて心も体も傷ついた」「包丁で刺して殺そうとした」「家に火をつけて自分も死のうと思った」「思い出のある家ごと消し去ろうと思った」などという内容の供述をした調書を、証拠として提出しました。
判決は、来月29日に言い渡される予定です。