中古「検温カメラ」に1700枚の顔写真――“個人情報”漏えいリスクに注意 発熱者の追跡でデータを保存…未消去なら悪用も
新型コロナウイルスの感染拡大で普及した、施設の入り口などにある検温カメラ。中古品をフリマアプリで購入したところ、中に大量の顔写真が残っていたという問題が起きました。消去せず転売や処分をすると、悪用されたり法律に違反したりする恐れもあります。
有働由美子キャスター
「お店や会社の入り口で、検温カメラに一度は顔を近づけたことがあると思います。フリマアプリで検温カメラを購入したところ、中に大量の顔写真が残されていたという問題が起きました。実際にそれを購入した男性に話を聞きました」
フリマアプリで購入した男性
「メルカリで、店舗とかに置いてあるようなカメラ付きの中古の体温計(検温カメラ)を買ったところ、中に検温した人の顔写真が保存されていたのを見つけてしまいました」
「計測した日付と顔写真と、体温が記録されていますね。とにかくびっくりですね。(検温カメラに)顔写真が残っているとは思わなかったので、驚きがありました」
有働キャスター
「自分の顔が残っていて、知らないところで見られているというのは嫌ですよね」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「男性が買ったカメラには、顔写真が1700枚ほど残っていました。中にはヘルメットをかぶった工事現場の作業員、葬儀場で撮影されたとみられる喪服姿の人や子供の顔も出てきたそうです」
「そもそも検温カメラには、発熱した人を後からでも追跡できるように、顔をデータとして残す機能がついているものもあります。男性が買った中古のカメラは、出品者がデータを消さないまま売ったものだったということです」
有働キャスター
「写真で名前までは分からないとしても、何か怖さは感じます」
小栗委員
「そうですよね。ITジャーナリストの三上洋さんによると、背景の情報からその場所や住所が分かり、勤め先の特定などにつながることもあります。会いに行こうと思えば会えてしまうかもしれないので、悪用されると怖いですよね」
「また個人情報保護委員会によると、顔写真だけでも個人情報にあたり、出品者が故意かどうかにかかわらず、データを消去しないまま転売したり捨てたりすると、個人情報保護法に違反する恐れもあります」
「サイバーセキュリティー対策会社のラックは、『個人情報の漏洩のリスクがある検温カメラは、基本的に不用意に売らない方がいい』と注意を呼び掛けています」
有働キャスター
「私たちの大事な個人情報を守るためでもありますが、トラブルや違法行為になる恐れもあります。お店や会社に検温カメラがあって処分しようと考えている方は、必ずデータは消去し、厳重な対応をお願いします」
(5月24日『news zero』より)