鳥島近海で海底噴火の痕跡 去年10月の“謎の津波”と関連か
海上保安庁は今年1月18日から22日にかけ、伊豆諸島の鳥島から南にある孀婦岩にかけての海域で海底地形の調査をおこない、2022年12月の海底地形データと比較をおこないました。
その結果、孀婦海山のカルデラ内にある火口丘に海底噴火でできたとみられる直径およそ1.6キロの火口が新たにできていて、噴火の前後で水深が最大451メートル変化していたということです。
また、火口の北側では長さおよそ4キロ、幅およそ1キロにわたって斜面が崩壊していたほか、火口周辺で水深が浅くなっている場所があり噴火による噴出物などが堆積したとみられます。
鳥島近海では去年10月、地震が多発し9日の早朝には伊豆諸島・八丈島で高さ70センチの津波を観測しましたが当時、津波を引き起こすような規模の地震は確認されておらず、津波が発生した原因の解明が進められています。
孀婦海山の海域ではその当時、比較的、時期が近い火山活動によってできたとみられる「軽石」を採取していることから、海上保安庁は今回の調査で明らかになった海底噴火の痕跡は、鳥島近海でおきた地震や津波と関連がある可能性が極めて高いとしています。