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【解説】台風6号…今後の見通し “台風7号”発生も? 早めの備えを

2023年8月7日 19:51
【解説】台風6号…今後の見通し “台風7号”発生も? 早めの備えを

台風6号の今後の見通しや新たな「台風のたまご」について、気象予報士の木原実さんに解説してもらいました。

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台風6号は7日(月)午後5時現在、奄美大島の東海上にあって、北へゆっくり進んでいます。奄美地方の広い範囲が赤い円の「暴風域」に入っています。

台風は次第に北上していくのですが、移動する速度が自転車並みと遅いため、奄美や屋久島などは台風の影響が長引きそうです。その後、9日(水)には九州南部にかなり接近するおそれがあります。

この台風は、暴風域がかなり広いため、九州南部に接近する時点で九州の広範囲が台風の暴風域に入るものとみられます。

9日(水)にかけて、西日本や奄美では、走行中のトラックが横転するおそれもある猛烈な風が吹くおそれがあり、厳重な警戒が必要です。

――雨も相当降りそう?

はい、記録的な大雨になるおそれが出ています。雨雲の予想を午後5時から動かしてみると、まず台風本体に近い奄美や九州南部では、断続的に活発な雨雲が流れ込みます。台風の動きが遅いため、同じような所に雨雲がかかり続け、奄美や九州南部では8日(火)午前中にかけて線状降水帯が発生し、災害の危険度が急激に高まるおそれがあります。(※最新情報では、8日(火)夜にかけて発生するおそれがあると、警戒が呼びかけられています)

また、台風から離れた四国や東海などでも周辺の湿った空気が流れ込み、非常に激しい雨が降り続いて、雨量がかなり多くなりそうです。

9日(水)午後3時までに予想される3日間の積算雨量をみると、宮崎や鹿児島など、九州南部を中心に600ミリ以上という災害につながるような大雨が予想されているほか、九州北部や四国、紀伊半島などでも400~600ミリ以上と、かなりの大雨が予想されていて、九州~東海の太平洋側では、総雨量が8月ひと月分の雨量を大幅に上回るような記録的な大雨になるおそれがあります。

九州北部では、今年6月末からの大雨によって被害を受けた堤防や護岸などの損傷が完全に復旧していないうえ、川の中にもまだ土砂が堆積していて、氾濫の危険性が高くなっています。大規模な土砂災害や大きな河川の氾濫など、甚大な災害が発生するおそれもありますので、早めに避難を検討するなど、大雨への厳重な警戒が必要です。

そしてもうひとつ、心配の種があります。気象衛星からの雲の様子をみると、台風6号のさらに南に雲の塊があります。これは、台風のたまご「熱帯低気圧」ですが、この熱帯低気圧について気象庁は、今後24時間以内に台風に発達する見込みとの情報を発表しました。予想通り発達すれば「台風7号」になります。

熱帯低気圧は今後、発達しながら北上し、8日(火)にも台風になる見込みです。その後もしばらくは北西方向に進み、12日(土)には強い勢力の台風として伊豆諸島の南に達する見込みです。ただ、12日(土)の予報円は非常に大きく、その後の進路や発達の程度も定まっていません。

今後の進路次第ではありますが、お盆休みの関東などにも影響してくる可能性がありますので、今後の情報に注意し、早めの備えを心掛けてください。

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