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断水で“危機”の牧場にボランティア集結 津波被害の老舗酒蔵には…都内から支援も 「能登の産業」を守る動き

2024年1月20日 8:07
断水で“危機”の牧場にボランティア集結 津波被害の老舗酒蔵には…都内から支援も 「能登の産業」を守る動き
能登半島地震から19日目。続く断水で“危機的な状況”になっていた内灘町の乳牛の牧場には、日本各地から酪農業者などが水を届けに集結していました。津波の被害を受けた能登町の老舗の酒蔵を支援していたのは、都内の酒店でした。「能登の産業を守ろう」という動きが、始まっています。

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時折、水をこぼしながら1台のトラックが進んでいきます。積んでいたのは大きなタンク。ブルーシートの中に水を貯めています。

「ホリ牧場さんに水道が出るまで、続けようと思っていますよ」

実はここ、約400頭の牛を飼育する内灘町の牧場です。

ホリ乳業 堀牧人さん
「(牛乳を)搾れる量も(牛が)水を飲んでないので、かなり少なくなりました。かなりダメージは大きいですね」

毎日約50トンの水が必要だといいますが、続く断水で“危機的な状況”になりました。その様子を、酪農業者の知人がSNSにアップしたところ、全国各地から酪農業者などのボランティアが集結したのです。

ホリ乳業 堀牧人さん
「最初は岡山から10トンの水を持ってきてくれた方がいた」

金沢市からのボランティア
「私は12トン。先週くらいから」

岩手からのボランティア
「岩手の方からお手伝いに」

――何トンくらい?

岩手からのボランティア
「32トンくらい」

いまは牛たちが十分な水を飲める量が集まり、牛乳の品質は回復。出荷量もなんとか7割程度にまで戻ったといいます。

ホリ乳業 堀牧人さん
「(ボランティアが)いらっしゃらなければ、こうやって続けてることも、本当に厳しい状態だったし、本当に感謝しています」

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津波の被害も受けた能登町で『news zero』が出会ったのは、創業155年の老舗「数馬酒造」の五代目、数馬嘉一郎さん。

数馬酒造 五代目蔵元 数馬嘉一郎さん(37)
「地面が割れたり、地盤が沈下したり、それに伴って壁が少し壊れてきたり」
「まだ全部の被害状況、確認できてないけど、けっこう割れてしまった瓶もありますね」

数馬さんは、避難した寺から、慣れ親しんだ町が津波にのまれていく様子を見たといいます。

数馬嘉一郎さん
「徐々に波が上がってくる状況を見ながら『止まってくれ』と思いながら見ていました」

津波の影響で酒蔵の中には泥が入り、いまはとても酒造りができる状況ではないといいますが…

数馬嘉一郎さん
「距離関係なく、気にかけてもらったり、思ってもらったり、応援していただくのは非常に励みになり、力になっています。1日も早く復旧して、他の酒蔵さんとも手をとりあいながら、お客様にお酒をお届けできればと思ってます」

「これが数馬酒造の『閃』です」と“最後の1本”を見せてくれたのは、数馬酒造で造られた酒を提供している東京・八王子市の日本酒専門店です。

数馬酒造から酒仕入れる 日本酒専門店代表
「(能登半島の)鳳珠酒造組合の酒は1月1日から全然(入荷しない)」

「閃」のほか8種類の石川県の酒を置いているこの店は、石川県の酒の売り上げの半分を、被害の大きかった県内の酒蔵に送るといいます。支援の気持ちで、石川の酒を楽しむ客もいました。

日本酒専門店代表
「石川のお酒、どんどん飲んでもらえればいい。やっぱり、石川のお酒は総じておいしいのでね。なくなっちゃうのは寂しいよね。飲んで気持ちが届けばいいなと思っています」

■渋谷龍太に聞く 酪農や酒造…“支援”各地から

中島芽生アナウンサー
「能登の産業を守ろうという動き、渋谷さんはどうご覧になりましたか?」

SUPER BEAVER・ボーカル 渋谷龍太さん(36)
「自分も仕事柄、いろいろな場所へ行くことが多いんですが、地酒や伝統工芸品は、その土地の風土を感じられて、地元の人たちのアイデンティティーにもつながっていると思うんです。雇用にもなります。なので、お体を大事にしていただくのがまず前提ですが、なるべく、なくならないでいてほしいと思いますね」

中島アナウンサー
「まさにアイデンティティーですよね。私が取材させていただいた酒造の方もご高齢だったのですが『この年齢で立て直すのは難しい』とおっしゃっていて、こうした文化を絶やさないためにも、経済的に支えるということは、本当に大切ですよね」

渋谷さん
「とても大切なことだと思います。今回のように、お酒を買うという自分の楽しみが、誰かの支援になるということだと、支援する方もされる方も気持ちのハードルが、ちょっとだけ下がるのかなって思うので、なんかいいなって思いました」

(『news zero』より)