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被災者「本当に空き巣入るんですよ」……震災便乗の犯罪増、100 台の「防犯カメラ」設置へ 熊本でも 1 年以上被害 どう防ぐ?

2024年1月17日 10:37
被災者「本当に空き巣入るんですよ」……震災便乗の犯罪増、100 台の「防犯カメラ」設置へ 熊本でも 1 年以上被害 どう防ぐ?
能登半島地震に見舞われた石川県内で、空き巣や置き引きなど震災に便乗した犯罪が相次ぎ発生。これを受け、被災地に防犯カメラ100台が設置されることになりました。熊本地震でも窃盗被害が1年以上続き、防犯カメラで抑止できた例がありました。

■空き巣への不安…被災者たちの声

有働由美子キャスター
「能登半島地震の被災地に設置されることになったのが、100台の防犯カメラです。今、石川県内の被災地の方々から心配する声が上がっています。自分たちで見回りをしているという人もいます」

七尾市で話を聞いた被災者
「皆さん家に鍵をかけないで着の身着のまま(避難所に)来られましたから、盗難に遭うんじゃないかとか、不審者が来ているとか、いろんな情報が流れてますんで、不安で不安で」

輪島市で話を聞いた被災者
「本当に空き巣入るんですよ。火事場泥棒みたいに」

志賀町で話を聞いた被災者
「(空き巣が入らないように)自分は自宅の前で寝たり。毎晩なので、誰か代わりながら」

■震災に便乗した犯罪は22件発生

有働キャスター
「避難所には『震災に便乗した犯罪に気をつけて』という張り紙もあり、被災された皆さんの悩みの1つになっています」

小野高弘・日本テレビ解説委員
「震災に便乗した犯罪は、石川県内で15日までに22件起きています。特に多いのが、避難して誰もいなくなった家に忍び込むなどの空き巣です。避難所で起きている置き引きもあります」

有働キャスター
「(今も)まだ避難されるなどしていて、被害が分からないという方もいらっしゃるでしょうから、実際にはもっと多くあるのでしょうね」

■熊本地震では「防犯カメラ」で抑止

小野委員
「そこで今回100台ほどの防犯カメラを付けよう、となりました。どういった場所に付けるのか。熊本地震の時に実際に取り付けられたのは、街灯や電柱、建物の壁でした」

「コインランドリーで衣類の盗難が多くありましたが、防犯カメラを付けたら減ったという例もあり、一定の効果は期待できそうですね」

「熊本地震の時の窃盗はひどいものでした。発災直後の2016年4月から 2017年7月まで続いていました。現金や、テレビ・エアコンのような家電、食器や玄関ドアに至るまで、あらゆる物が盗まれ続けていました」

■今後は長期化? 食い止めるには

小野委員
「犯罪心理学に詳しい奈良女子大学の岡本英生教授は『被害が大きいだけに、窃盗など震災に便乗した犯罪は今後増えて、長期化する恐れがある。状況が落ち着いても続く可能性がある』と指摘します」

「では、どうやって食い止めるか。防犯ジャーナリストの梅本正行さんは『パトロールが大事。窃盗犯は夜に実行するにしても必ず昼に下見する。昼も地域の方々で協力してパトロールし、不審な人物を見かけたら遠慮なく声をかけることです』と言います」

■落合さんに聞く…AIの効果的な使い方

有働キャスター
「昼にもできることがあるということですね。防犯の観点で、プラスアルファでできることは何かないですか?」

落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「こういう事案だと、防犯カメラは後から解析するのではなく、AIでリアルタイムに解析して不審者がいたらすぐに警告音が鳴るようにするなどすれば、効果的だと思います」

「きちんと研究してみないと分かりませんが、AIは特定の所を見ている被災者と、分散的にいろいろな所を見ている窃盗犯の見分けは意外とできそうな気がします」

「以前は通信のスターリンクの話をしましたが、次の災害に備えて、防犯カメラを接続してAIを機能させるようなことも今後は考えていかないといけない時代なのかなと思います」

有働キャスター
「そうした開発も必要ですけれども、被災地を狙う卑劣な犯罪はやめてほしいです」

(1月16日『news zero』より)