東京都“防潮堤かさ上げ”計画案まとめる 海面上昇や台風強大化に備え
地球温暖化による海面上昇や台風の強大化に備えて、東京都はいまある防潮堤をかさ上げする計画案をまとめました。
東京都は、津波や台風による高潮から街を守るため東京港の沿岸に高さが最大8メートル、総延長およそ60キロに渡る、防潮堤を設置しています。
しかし、地球温暖化に伴い、将来、海面上昇や台風の強大化が懸念されるため、すでに設置している防潮堤の高さを最大で1.4メートルかさ上げする計画案をまとめました。
IPCC=気候変動に関する政府間パネルの報告書では、2100年までに世界の平均気温が産業革命前と比べて2度上昇した場合、平均海面水位は最大でおよそ60センチ上昇すると予測されています。
都はこうした予測データなどから、被害を防げない可能性があるため東京港にあるおよそ60キロの防潮堤のうち、半分のおよそ30キロをかさ上げするという計画です。
かさ上げする高さは、豊洲臨海部で20センチ、晴海地区で80センチ、東部地区の江東区東雲ではもっとも高い1.4メートルなどとなっています。
都によりますと、地球温暖化による海面上昇や台風の強大化に関する情報の確認を定期的に行い、この計画案を10年ごとに見直していくとしていますが2100年の海面水位の予測値は不確実性があるため、段階的にかさ上げ整備を行っていきたいとしています。
さらに将来、雨量の増大で海への排水が追いつかず水が溢れる「内水氾濫」の増加が懸念されることから排水機場に設置しているポンプの排水能力の向上も計画しているということです。
都は今後、都民の意見を反映しながら今年度中には具体的な整備計画を作成する方針です。
■提供:東京都港湾局