2日発生の“震度5弱” 南海トラフ地震発生への影響“ほとんどなし”
気象庁は、南海トラフで巨大地震発生の可能性を評価する定例の検討会を開き、今月2日、最大震度5弱を観測した鹿児島県大隅半島東方沖を震源とする地震について、南海トラフ地震の発生に与える影響はほとんどないとする見解を示しました。
気象庁は、今後30年以内の発生確率が70%から80%とされる南海トラフ地震について、専門家による定例の評価検討会を開き、想定震源域でおきた地震活動や観測データの分析をおこないました。
今月2日、南海トラフ地震の震源想定域の南側にあたる鹿児島県大隅半島東方沖を震源とする地震があり、宮崎県日南市で震度5弱の揺れを観測しました。
この地震について、検討会は南海トラフ地震の発生メカニズムと同じ、フィリピン海プレートが陸側のプレートの下に沈みこむ、境界付近で発生したとしながらも、想定震源域から外れている事、さらに地震の規模がマグニチュードが5.9と、南海トラフ巨大地震で想定されるマグニチュード8から9クラスと比べて小さなものであることなどから、「影響はほとんどない」とする見解を示しました。
また、評価検討会の会長で東京大学の平田直名誉教授も、南海トラフ地震の想定震源域はフィリピン海プレートが陸側のプレートの下に沈み込んでプレートが強く固着している部分であり、「大隅半島東方沖での地震は、この固着している場所の外側でおきた地震であるうえ、地震の規模が小さかったため、大きな地震がおきると想定される場所に対して与える影響は小さい」と説明しています。
一方で、南海トラフ周辺では大規模地震が起きる可能性が非常に高い状態が依然として続いていることから、日頃から揺れに備えてほしいと呼びかけています。