黙秘権を行使したのに、取り調べで検事から「ガキ」などと繰り返し侮辱され、精神的苦痛を受けたとして、元弁護士の男性が国に損害賠償を求めた裁判で、東京地裁は国に対し、110万円の賠償を命じました。

元弁護士の江口大和さんは、無免許で死亡事故を起こした男にウソの供述をさせたとして、犯人隠避教唆の疑いで逮捕され、その後、有罪が確定しています。

江口さんは当時、取り調べに対し、黙秘する意思を示していましたが、検事から「ガキだよね」「能力がね、足りてないっすよ」などと繰り返し言われ、精神的苦痛を受けたとして国に損害賠償を求めていました。

東京地裁は18日の判決で、「黙秘を続けていたのに、侮辱的な発言などを一方的かつ執拗に繰り返した」「黙秘権の保障の趣旨にも反し、人格権を侵害している」として検事の取り調べを違法と認め、国に110万円の賠償を命じました。

判決を受け、国側は「判決内容を検討して適切に対処します」とコメントしています。