グーグルマップに悪質クチコミ放置され…医師らが損害賠償求めた裁判 グーグル側は争う姿勢
「グーグルマップ」で悪質なクチコミを放置されたとして、開業医ら約60人がグーグルを訴えた裁判が、17日に始まりました。医師らが損害賠償を求める一方、グーグル側は争う姿勢を示しました。
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みなさんも、次のような経験があるのでは?
美容師(20代)
「近くの病院ってグーグルで調べること多い」
薬剤師(20代)
「近くで探したいので(グーグル)マップで」
グーグルマップを使った自宅の近くにある病院探し。
施設名などを検索すると、地図上に住所や連絡先が表示されるグーグルマップ。クチコミや施設の評価も星5段階で表示されるため…
薬剤師(20代)
「グーグルのクチコミとか見ながら(病院)探しています。病院のいいところと悪いところ、投稿両方見るようにしている」
育休中(30代)
「結構クチコミは気にします。悪いクチコミがいっぱい書いてあれば行かない」
会社員(20代)
「(クチコミは)いいも悪いもそういう人がいるという一意見として聞いている」
パート(60代)
「全部は信用しないけど一応は見ます。鵜呑(うの)みにはしないけど、ちょっとは参考に」
クチコミを“病院選びの参考”にするという声も聞かれました。
そんなグーグルマップをめぐって全国の開業医ら63人が、グーグルに損害賠償を求める裁判が17日、東京地裁で始まりました。
グーグルを提訴したきっかけが…
原告側の医療従事者
「事実と違うことなどの書き込みも多々ありまして、正直、働いていて怖いなと思うこともある」
“事実と異なる”という、悪質なクチコミの数々です。
例えば…
「スタッフに子供の骨を折られた」
「時間になっても医師が来ない」
「怒鳴られた」
こうしたクチコミは、書き込まれた側が削除することはできません。
原告側の医療従事者
「スタッフにもかわいそうな思いをさせた。こちらが一方的に悪いというようなことを書かれます」
原告らが、悪質なクチコミに対応すると…
原告側の医療従事者
「あなたのIPアドレスを突き止めると返信したら、星1個だけをつけてその文章は消えていた」
“事実ではない”出来事で、星1つと評価されることに。
こうした事態を受けて原告らは、グーグル側にクチコミの削除や間違った情報の訂正を何度も求めたといいますが…
原告側の医療従事者
「私たちの意見を届ける窓口が日本国内にないということで、(アメリカの本社に)何度訂正をお願いしても(訂正)していただけないことが積み重なって」
悪質なクチコミなどが投稿されている状況について十分な対応をとられず、営業権を侵害されたとして、やむなくグーグルを相手に裁判を起こしたといいます。
グーグルはこれまでに、「グーグルマップでは不正確な内容や誤解を招く内容を減らすよう努めています」とコメントしています。
17日の裁判で原告側は「国民生活のインフラのような役割を果たしており、そこでの権利侵害は一般の個人サイトのものとは比較にならない」とあらためて主張。
一方、グーグル側は「次回の裁判までにまとまった反論をする」として争う姿勢を見せました。