【中継】生活再建どこで…? 被災者それぞれ苦渋の選択 能登半島地震
地震発生から18日目をむかえた石川県の能登半島では復旧が急がれています。そうした中で地元に残ることを決めた人もいれば離れる決意をした人もいるということです。輪島市から中継です。
◇
私は震度6強を観測した輪島市の観光名所、朝市通りにきています。
現在雨はほとんどやんでいるんですが、ときおり強い風が吹いています。
こちらは大規模な火災があった現場のすぐ近くなんですが、建物が傾いていて、危険度の判定でこのように「危険」と判定された赤い紙が貼られた建物が多くあります。
また、こちらの店は輪島の伝統工芸品、輪島塗の漆器を扱うお店ですが、屋根がつぶれてしまっていて、中が全く見えない状態になっています。
輪島市では火災だけでなく、地震による被害も大きかったことがわかります。
――その付近で住んでいた方は生活の再建をどのように考えているのでしょうか?
近くに住んでいる方たちに話をうかがったんですが、みなさん、悩みながらもここにとどまるのか、移住するのかの決断に迫られていました。
この近くで美容室を営んでいた男性は、この町を離れたくはないが生活していくためには引っ越すしかないとお話しされていました。
美容室経営・東知倫さん(66)
「僕は金沢に行って働こうと思っています。(復旧は)しばらく無理でしょ。5年10年かかるでしょ。そのあいだ何もしないでいる訳にはいかないから、生活していかないといけない」
一方で、常連さんも多く60年以上地元の人に愛され続けていた焼き肉店の店主は輪島に残りお店を続けることを決断したといいます。
焼き肉店店主・定山喬弘さん(66)
「中の柱自体が立っているので、隣も潰れて寄りかかっているけどそんなこと言っていられないし全部がそんな状況だから。(店は)やるつもりです。補修・補強すればできるってことでやります」
ただ、店を続けると決めていても、今は生きることに精一杯だと話していました。
――生活の立て直しが課題となっていますが、復旧が進んでいる実感はみなさんもたれているのでしょうか。
少しずつですが元の生活に戻ろうとする動きもあります。
輪島市にあるこちらのスーパーは、地震3日後から営業を再開していて、入荷するものを増やしていっているそうです。
ただやはり、みなさん一番困っているのが水です。
断水が復旧するめどがたっておらず、スーパーの担当者も、「水がないと魚や野菜の販売が始められない」と話していました。