沖縄県知事選あす投開票 基地移設、経済回復、子供の貧困など争点に
任期満了に伴う沖縄県知事選挙は11日に投開票されます。今回も、普天間基地の移設問題が大きな争点の1つとなっています。
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辺野古の埋め立て工事現場では、アメリカ海兵隊の基地、キャンプ・シュワブの浅瀬側を囲うように築かれた護岸の内側に土砂を投入する作業が続いています。
4年前は土砂の投入が始まる前の状態でしたが、いまは、海水面が見えなくなっています。このエリアで、防衛省はすでに海面から4メートルの高さまで土砂を投入し、さらに最高で10メートルまでかさ上げする予定です。
一方、全体の予定図によると、埋め立てが計画される152ヘクタールのうち大半はキャンプ・シュワブ北側の深い海で予定されています。しかし、こちらの工事は手つかずになっています。
これは、海底の広い範囲で軟弱な地盤が見つかったことが理由です。国は地盤改良のための設計変更を申請しましたが、沖縄県は承認せず、両者の間では法廷闘争も続く見通しです。
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――知事選の各候補は、辺野古の問題でどんな訴えをしているのでしょうか。
沖縄県が抵抗しても埋め立てが進む現実を前に、3人の候補の主張は、明確に分かれています。
新人で前衆院議員の下地幹郎さんは、「すでに埋め立てられたエリアは駐機場として活用し、軟弱地盤は埋め立てない」「普天間基地の訓練は鹿児島県の馬毛島に移転」と打ち出しました。
そして、新人で前宜野湾市長の佐喜真淳さんは、「普天間基地の早期返還の実現には、辺野古移設が現実的」として「移設容認」へと一歩踏み込み、自公政権との協調姿勢をアピールしています。
一方、現職の玉城デニーさんは、「辺野古の新基地の建設反対」「普天間基地の閉鎖・撤去と早期の運用停止」を訴え、基地問題では政府と対峙していく姿勢を貫いています。
このほか、コロナで打撃を受けた経済の回復や子供の貧困の問題なども争点となった知事選、沖縄県民の判断は11日に示されます。