【解説】“睡眠中の熱中症”要注意! 睡眠環境プランナーによる「夜のエアコン活用法」とは?
29日の東京は5日連続の猛暑日、28日も熱帯夜となりました。「寝苦しい」と感じる人も多いのではないでしょうか。“睡眠中の熱中症”には要注意です。
「寝ている間が危険」、「エアコン活用法」、「“睡眠の質”アップ」、以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。
東京消防庁管内で28日、今年最多となる8歳から100歳の男女224人が熱中症とみられる症状で病院へ搬送されました。
さらに、28日、70代の男性2人が熱中症で死亡しました。2人とも、部屋の中でエアコン未使用だったということです。
猛暑日だけではなく、熱帯夜も続く中、東京・銀座で街の人に聞きました。
――暑さで夜は寝られない?
80代
「やっぱり、目が覚めますね。夜ね」
「そうね、途中で目が覚める」
「もう、だるいという感じ」
20代
「起きちゃいます。ちょっと寝苦しくて、起きちゃいます」
70代
「私は、すぐ寝られます」
60代
「僕は、4時ごろ起きますよ。起きてから、寝苦しさを感じるかな」
実は、熱中症は夜間、それも睡眠中に発生する人が多いということです。
東京消防庁管内では、28日午後9時から29日9時までの12時間だけで、熱中症とみられる症状による47人の搬送が報告されました。ただ、夜間の発症かは確認されていません。
熱中症に詳しい兵庫医科大学・服部益治特別招聘教授も、実際のケースでは「熱中症の4割は、夜間・睡眠中に発生する」と警鐘を鳴らしています。
夜は昼ほど暑くないため、「大丈夫」と油断しがちですが、そういうことではありません。夜に熱中症になりやすい背景として、水分補給ができないということが挙げられます。
人は寝ている間にも、呼吸や汗で400~500ccの水分を一晩で失っているということです。夜中にトイレに起きるのが嫌だからと、水分を取らないお年寄りも多いです。寝る前と起床後に、少なくともコップ1杯の水を取り、失われた水分を補う必要があります。
そして、2年連続のコロナ禍で運動していない人も多いため、筋肉量が大幅に減っています。水分は筋肉の細胞の中にたまります。筋肉量が減少すると、体内の水分の貯蔵庫が小さくなっているということです。そこに異常な暑さも加わり、まさに“ダブルパンチ”に見舞われています。
元々、筋肉量が少ない高齢者・子ども・女性だけでなく、今年は健康な男性でも熱中症になる危険性が高まっているということで、注意してください。