静岡県で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」の再審、やり直し裁判をめぐって検察側は10日、袴田さんの有罪を主張する方針を示しました。これによりやり直し裁判は長期化する見通しです。

1966年、静岡県の旧清水市で一家4人が殺害されたこの事件では、元プロボクサー・袴田巌さんの死刑判決が確定しました。

しかし、ことし3月、死刑判決を不服とする弁護団の主張を東京高裁が認め、裁判のやり直しとなりました。

このなかで、東京高裁は犯人のものとされた「5点の衣類」について「捜査機関によるねつ造の可能性が極めて高い」と指摘しました。

しかし検察側は10日、「ねつ造を示す証拠はない」などと主張、やり直しの裁判で有罪を立証する方針を示しました。

袴田さんの弁護団は検察に抗議書を提出し、有罪立証を断念するよう強く求めています。