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「袴田事件」弁護団が検察側に特別抗告しないよう再申し入れ

2023年3月16日 22:08
「袴田事件」弁護団が検察側に特別抗告しないよう再申し入れ

静岡県で一家4人が殺害された、いわゆる「袴田事件」で、弁護団は16日に会見を開き、再審(=裁判のやり直し)を認めた東京高裁の決定に対し、特別抗告しないよう検察側に改めて求めました。

1966年、静岡県で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」で死刑が確定した袴田巌さんをめぐっては、東京高裁が今週月曜日、再審(=裁判のやり直し)を認める決定をしています。決定を受け、袴田さんの弁護団は16日、検察側に対し、特別抗告をしないよう求める2度目の申し入れをしました。

東京高裁の審理では、事件から1年2か月後に現場近くの、みそタンクから見つかった犯行時の着衣と認定された衣類に付いた血痕の「赤み」が争点でした。

弁護側は、血痕の「赤み」が残ることはありえないと主張し、東京高裁も今週月曜、この主張を認める判断を示しました。弁護団は16日の会見で、検察側が独自の実験をもとに「血痕の周辺部分については赤みが残った」などと主張していたことについて、「赤みが残っている部分は血痕ではなくみその色によるものだ」と分析した色彩に関する専門家の新たな鑑定結果を示しました。

弁護団は、血痕の色についてこれ以上議論を続ける意味がないとして、検察側に特別抗告をしないよう求めています。特別抗告の期限は来週月曜日です。