袴田巌さん再審 検察側が有罪立証する方針 弁護団は強く抗議「法曹として情けない」
1966年、静岡県で一家4人が殺害された事件はことし3月、裁判のやり直しが決まりました。しかし検察側は10日、有罪を立証する方針を示しました。これに対し袴田巌さんの弁護団は会見を行い、強く抗議しました。
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1966年、静岡県の旧清水市で一家4人が殺害された事件。元プロボクサーの袴田厳さんの死刑判決が確定しています。しかしことし3月、この判決を不服とする弁護団の主張を東京高裁が認め、裁判のやり直しが確定しました。
東京高裁は犯人のものとされた「5点の衣類」について「捜査機関によるねつ造の可能性が極めて高い」と指摘していました。
10日、検察はその「5点の衣類」について「ねつ造されたものであることを示す証拠はない」などとして、やり直しの裁判で有罪を立証する方針を示しました。
午後4時すぎ、会見を行った袴田さんの弁護団は強く抗議しました。
弁護団 小川秀世弁護士
「がっかりしましたね。法曹として情けないんじゃないかと。袴田さんが無実であることをわかりながらやっているとしか、私は思えない」
弁護団は検察に抗議書を提出し、有罪立証を断念するよう強く求めています。