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中日・松山投手が故郷で自主トレ、来シーズンも飛躍を決意「守護神を狙いたい」

2023年12月21日 16:00
中日・松山投手が故郷で自主トレ、来シーズンも飛躍を決意「守護神を狙いたい」

育成選手から大躍進を遂げた、中日ドラゴンズのルーキー・松山晋也投手。激動の今シーズンを終え、1年ぶりに故郷・青森県へ帰省。中京テレビ「キャッチ!」では、ふるさとで過ごす松山投手のオフに密着。来シーズンに向けた新たな挑戦、目標に掲げた“守護神”への想いを追った。

中継ぎ投手として大ブレイク!故郷で自主トレーニングを開始

今月12日、名古屋から北に約1,000㎞。大雪が積もった、青森県八戸市の八戸学院大学を訪れた。練習していたのは、プロ1年目を戦い終えたばかりの中日ドラゴンズ松山晋也投手、23歳。最速156㎞のストレートと、気迫あふれるピッチングが魅力の投手だ。

今シーズン、中継ぎ投手として大ブレイク。ルーキーながら36試合に登板、防御率は1.27をマークした。激動のシーズンを終えて、1年ぶりに故郷・青森に帰省した松山投手。休む間もなく大学の施設へ向かい、さっそくハードなトレーニングに励んでいた。

1軍のデビュー戦で三者連続三振の快挙!

今月5日、愛知県警中川署の一日警察署長イベントに登場した松山投手。プロ野球選手になって初めてのオフシーズンは、練習以外にも大忙しの日々を送っていた。今シーズンのブレイクを機に、大きく変わった生活。環境の変化を受け、「(この1年で)すごく変わりましたね。1年前はこんなにメディアに出ることもなかったので。活躍しないと意味がない世界だなと改めて思いました」と力強く語った。イベント終了後、会場の出口には子供から大人まで多くのファンが殺到。今となっては大人気の松山投手だが、わずか1年前は「育成選手」として、プロへの道を一歩踏み出したばかりだった。

青森県七戸町出身の松山投手は、去年のドラフトでドラゴンズに指名を受け入団。当初は1軍の試合には出場ができない“育成選手”として所属し、3桁の背番号を背負ってのスタートだった。

それでも、キャンプや2軍の試合で結果を残し、今年6月に念願の支配下選手に登録。1軍のデビュー戦で、いきなり三者連続三振で存在感を発揮。ルーキーの初マウンドとは思えない、堂々としたプレーで観客を沸かせた。すると、その才能は見る見るうちに開花。シーズン途中からは勝ちパターンの一角を任され、9月にはプロ初勝利。“育成選手”から一躍、チームにとって欠かせない存在へと成長したのだ。飛躍の年となった今シーズンについて、松山投手は「(試合を)やっているときは長かったけど、終わってみれば早かったな。あっという間ですね」と振り返った。

母校で小中学生に向けた野球教室を開催

故郷・青森に帰ってきた理由はもう一つあった。今月10日、東北楽天ゴールデンイーグルスOB・塩見貴洋さんと共に母校・八戸学院大学を訪れた松山投手。帰省の“もう一つの目的”、それは先輩OB達と一緒に小中学生のための野球教室を開くことだった。

まずは、野球の基本のキャッチボールから指導。子供と同じ目線で話しながら、「投げるときにグローブをあっちに向けよう!そうそう!いいよいいよ!」とアドバイスをする松山投手。子ども達から“意識していること”について質問を受けると、「キャッチボールで相手に足を向けるけど、グローブもしっかり相手に向けることを意識してます」など丁寧に答えていった。

無事、母校での野球教室を終えた松山投手は、「全然施設とかも変わらないので、とても懐かしいなと思います。この景色が(変わって見える)ぐらいやらないといけないと思う」と話した。

自分でも想像していなかったという、今シーズンの活躍。その一方で、人知れぬ苦悩もあった。

“呼吸を整える”ために新たに始めた取り組みとは?

松山投手が向かったのは、宮城県塩竃市。来シーズンのさらなる高みを目指すために、新たに挑戦していたことがあった。大きな鏡の前で、インストラクターの指示に合わせて様々なポーズをとる松山投手。新たに取り組み始めたこと、それは「ヨガ」だった。

ヨガを始めた理由は、今シーズンの活躍の裏にあった“ある悩み”から。「シーズン中、眠れないときがあって。興奮もあって、良かったときも悪かったときも、フラッシュバックがあったんです」と当時を振り返る松山投手。膨らむ期待と同時に大きくのしかかったプレッシャー。急激な環境の変化もあり、特にシーズン後半は眠れない日々が続いたという。そこで、オフのトレーニングに取り入れることにしたのが、“呼吸を整える”ためのヨガだった。「ボールを投げるときも、シーズン中に疲れてきて体と心が合ってないときがあった。無理やり動かそうと思っても、動かないときもあった。そういうときって、どうしようもできないけど、“呼吸”が大事なのかなと」。

野球に比べるとゆっくりとした動きが多いヨガ。しかし、レッスンの合間には「きつい…なめていたな」と苦笑い浮かべるシーンも。初レッスン後は、「(ヨガは)続けていかないと、奥が深いのでわからないのですが、1回目で効果はあったので続けてみようと思います」と話し、オフシーズンの過ごし方が一つ決まったようだった。

目標は“守護神”「狙おうとしている壁は高い」

来シーズンに向けて動き出している松山投手には、目指している“ある場所”があった。それは、最終回のマウンドに上がる、いわゆる「守護神」。試合の勝敗に直結するため、絶対的な信頼が欠かせないポジションだ。中日ドラゴンズでは、4シーズン連続でライデル・マルティネス投手が不動の抑えとして君臨。“守護神”を目指すには、ライデル投手を超える力を身に付けなければならない。

「(ライデル・マルティネス投手が)在籍しているときに超えないといけない。いなくなってから、“代わり”として守護神を任されるのでは、ダサいと思う。狙おうとしている壁は高いので、今はもっとやらないと。去年よりもっとやらないとなと思っています」と来シーズンに向けた熱い想いを語った。

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