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駆除された野生動物をエサにする「屠体給餌」について考える のんほいパークで第2回「サイエンスカフェ」開催 愛知・豊橋市

2024年8月15日 18:59
駆除された野生動物をエサにする「屠体給餌」について考える のんほいパークで第2回「サイエンスカフェ」開催 愛知・豊橋市
シカの肉をくわえるライオン(画像提供:豊橋総合動植物公園)
ドリンクを飲みながら、演者と参加者が科学について気軽に話し合う「サイエンスカフェ」が、愛知県豊橋市の総合動植物公園「のんほいパーク」で9月8日に開催されます。

2回目の開催となる今回は「駆除されたシカを動物園で餌にするってどう思う?」と題して、「屠体給餌」の取り組みについて考えていくということです。

「屠体給餌」とは、駆除されたシカやイノシシを、毛皮や骨などが付いた状態のまま動物園のライオンなどに与える給餌方法のこと。

農林水産省が2023年に実施した調査によると、国内で捕獲されたシカやイノシシがジビエとして利用される割合は約11%にとどまり、死体処理コストや環境面への影響からも、捕獲した野生動物の有効利用が課題となっています。

また、動物園で飼育されている肉食動物に食べやすく加工した肉を与え続けると、消化不良を起こしたり、咬む筋肉筋力が衰えるなどの健康問題を引き起こすことも確認されています。

大学・動物園・研究所・民間企業で構成される共同事業体「屠体給餌利用促進コンソーシアム」によると、国内ではこれまでに少なくとも25園館で屠体給餌が実施されていて、のんほいパークでも2019年に試験的に導入した後、2021年から愛知県産のシカを通年で使用開始しました。現在はトラとライオンに週2回屠体給餌を実施。毎週日曜日には「ライオンのワイルド飯」という教育イベントで、給餌の様子を公開しているということです。

屠体給餌の取り組みが広がる一方で、駆除された動物をエサにすることに抵抗感を持つ人も多いことから、パークの担当者は「屠体給餌の背景や先行研究など幅広く紹介して、参加者と対話しながら、屠体給餌に対する理解を深めていきたい」と話します。

第2回「サイエンスカフェ」の定員は先着順で30人までで、参加費は1人500円。小学生以下は無料ですが保護者の同伴が必要です。当日は加熱済みジビエの提供や、屠体給餌の見学も予定されています。

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