“頂き女子”の手口で詐欺か 恋愛感情を利用し6人の男性から計845万円をだまし取った罪 男性だます“境遇”と“甘い言葉” 被害男性語る巧妙やりとりとは・・・
いわゆる“頂き女子”の手口で男性から現金をだまし取った罪に問われている女の裁判。被害にあった男性を取材すると、いくつものウソが見えてきました。当時のやりとりを見せてもらうと、相手をだます“辛い境遇”と“甘い言葉”がつづられていました。
髪を1つにまとめ裁判官の方を見つめる女。名古屋市中区の無職・加藤ありさ被告(22)です。
恋愛感情を利用し6人の男性から現金計845万円をだまし取った罪に問われています。
被害男性:
「よくもだましたなっていう感じですね。僕自身も甘かったなと思うところはあるんですけどやっぱり悔しい気持ちが強いです」
こう語るのは加藤被告から50万円をだまし取られたという男性です。
去年6月、マッチングアプリで加藤被告と知り合いました。その後すぐに名古屋市内の喫茶店で直接会うことに。
被害男性:
「すごくしゃべりやすい子だった。いい子だなという感じはしました」
会話が盛り上がってきたところ、加藤被告から「シングルマザーの母親が亡くなって、母から引き継いだ借金200万円がある」と切り出されたといいます。
つらい境遇を話しますが、これらは全てうそ。
その後のLINEでも・・・
加藤被告(LINEでのやりとり):
「すぐお付き合いしたい気持ちはあるけど、返済終わるまでお付き合いはやめておきたいです」「残り50万少しなのでまだまだかかります」
親から相続した借金50万円を返済するまで付き合うのは難しいと送られてきました。
被害男性:
「大変な子なんだなと思っていました」
検察によると、加藤被告は他の男性にも「母親ががんで入院している」や「キャバクラで働き始めたときに給料として200万円を前借りした」などとうそを語っていたといいます。
一方で、自ら「金を貸して欲しい」とは口にせず、男性側から貸す提案をした際は、ためらうそぶりを見せていたといいます。
同時に、「私にはあなたしかいない」「会いたい」などと男性へ好意があるような言動を繰り返します。
そして・・・
加藤被告(LINEでのやりとり):「お金なんとかして貸すことしか難しいんだよなって、、」
被害男性(LINEでのやりとり):「貸すんじゃ無くて返すのが難しいから欲しいってことかな?」
加藤被告(LINEでのやりとり):「欲しいというか、そうだね」
お金を「借りる」のではなく「欲しい」とお願いしてきたのです。男性が「さすがに…」と抵抗を示すと・・・
被害男性:
「信用してもらうために婚姻届書きますと(加藤被告が)言ってきて」
加藤被告から婚姻届を書くことを提案してきたといいます。
しかし、約束の日。加藤被告は婚姻届を持ってきませんでした。
被害男性:
「学生証と住んでいるマンションの契約書の原本を持ってきたので写真撮った。そこまでして、さすがに逃げることはないだろうなと思った」
結局、男性は現金50万円を渡してしまったといいます。
その後、言い訳を繰り返し男性と会うことを避け音信不通に。その裏で加藤被告はだまし取った金を交際相手のホストへ貢いでいたとみられます。
4日に開かれた裁判。
検察がこの男性の他2人から金をだまし取った罪ついて起訴状を読み上げると、加藤被告は「間違いないです」と起訴内容を認めました。
裁判を傍聴していた男性は。
被害男性:
「起訴事実は認めたのでそれはよかったと思います。やったことがやったことなのでそれなりの刑にはしてほしいなと思う」
検察によると他にも同様の罪で追起訴される見通しで、次回裁判は来年1月23日の予定です。