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もう片側を空けなくていい! エスカレーターは“立ち止まって乗ること”が義務化 名古屋市で新条例が施行開始 

2023年10月6日 11:12
もう片側を空けなくていい! エスカレーターは“立ち止まって乗ること”が義務化 名古屋市で新条例が施行開始 

今月1日から名古屋市で、エスカレーターの乗り方に関する新しい条例が施行。エスカレーターを利用するとき、“立ち止まって乗ること”が義務化されたのだ。
子供と並んで乗ることができるなど、ファミリーにとっては子供の安全にも繋がる嬉しい条例。新ルール誕生の背景には人々の安全を守ることはもちろん、世界との関わりを見据えた街づくりがあった。

「歩いちゃダメ!」エスカレーターの利用ルールが変わる

名古屋市で10月1日から、「エスカレーターは立ち止まって乗ること」を義務づける新条例が施行された。
名古屋市によると、エスカレーターに関連した事故で救急隊が出動した件数は21年度は133件、22年度は140件に増加(速報値)。
打撲や骨折を疑われる人などもいたそうだ。街の人々に、エスカレーター利用時に危険を感じたことを聞いてみると、「(エスカレーターを)小さな子が走って、足を踏み外した時に転んで下に落ちてきたことがあった」、「友人が事故の巻き添えになり捻挫した」、「後ろから来た人がぶつかってくると、下りの時は怖い」など様々な体験が寄せられた。
新条例施行については、「子どもと並んでエスカレーターに乗れるのでいいと思う」など安全面を評価する街の声もみられた。
条例化の理由は、まさにこの安全面の強化が目的。名古屋市によると、3年後に愛知などで開催されるアジア競技大会で、世界中から訪れる人たちが混乱せず、安全に市内を移動できるようにしたいという意向が込められている。また、この条例に罰金は発生しないそうだ。

片側は急ぐ人ための通路!? 消える“暗黙のルール”

“片側は急ぐ人のために空けておく”という暗黙のルールがあるが、そもそもエスカレーターは「立ち止まって乗ること」が正解。
エスカレーターの利用について調査している筑波大学の研究チームによると、そもそも”エスカレーターは歩くことを想定して作られていない”とのこと。
エスカレーターの利用について、筑波大学医学医療系・水野智美准教授は「自分自身がケガをしないということはもちろん、利用している他の人に怖い思いをさせないことが大切」とみんなが安心できるよう、一人一人が安全を意識することの大切さを述べた。
新条例施行の初日、水野研究グループが大曽根駅の地下鉄・JR・名鉄瀬戸線の間にあるエスカレーターを歩いている人を時間別に調査。
前回8月の調査結果と比較すると、7:30~8:30は18.6%から15.2%へ、8:45~9:45は14.3%から9.3%に減少するなど、条例施行の効果を数字でも知ることもできた。名古屋市では条例の継続的な啓発活動を検討。市内イベントなどでも広く呼びかけていくという。

走って乗ると転んだり、人にぶつかったらケガをさせしまったり、間違った利用方法が事故に繋がってしまうこともあるエスカレーター。ルールを守ることはもちろん、新しいルールが導入された“理由”を一人一人がしっかり理解することが一番大切なのだ。

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