“売り手市場”なのになぜ? 焦る就活生で相談窓口は混雑「周りはすでに…」
今年も「売り手市場」が見込まれる就職活動。就活生たちは安心しているかと思いきや、焦っている学生も多いようです。一体なぜなのでしょうか。
大学の就職相談窓口は春休みでも混雑 年々早期化する就職活動
中部大学のキャリア支援窓口には、春休みで学校が休みにもかかわらず大勢の学生が訪れ、就活に関する悩み相談や実践形式で面接の練習を行っていました。
中部大学のキャリア支援課によると、この窓口には毎日30人ほどの学生が就活に関する相談に来るといいます。
中部大学 キャリア支援課・森田浩一郎さん:
「だいぶ学生の面談の希望は増えています。(今年は)秋頃から面談の数が増えています。5年10年前だと2月3月4月ぐらいが多かった」
窓口を訪れていた学生のほとんどは3年生。就職まで1年以上ありますが、学生が焦りを見せる理由は、就職活動が年々早期化しているため。すでに内定を得た学生も多いといいます。
相談に来ていた学生たちからも「周りに結構(内定をもらっている子が)いっぱいいて。体感だと4割5割は終わっているかなと。結構やばいなと思っています」「自分は遅れているのかなと不安を持ちながら、(周りは)みんな進んでいるなと」などの声が聞かれました。
政府の要請では、企業の就活に関する情報解禁は3月1日、内定を出せるのは10月1日からとされていますが、今年2月1日時点の3年生の内定率は23.9%。9年前の2.1%に比べると12倍近くも増えています。
早期化の背景には“売り手市場”による企業の焦りも
売り手市場でものんびりしていられない学生たち。愛知県産業労働センター「ウインクあいち」では、27日に地元企業を中心に70社が集まる説明会が行われ、午前中だけでも100人以上が来場しました。
中には、すでに内定をもらっているという学生の姿も。説明会に来た理由を聞いてみると、「もう少しいろいろな業界を見てみたいなという思いで来た」「内定をいただいた後にIT業界に関心を持ち始めて、業界研究も兼ねてこちらに参加しました」と話しました。この学生たちは、早めに活動し始めた結果、内定を得たといいます。
就活が早期化する背景を、採用支援事業などを行う名大社の山田哲也会長に聞いてみました。
名大社 山田哲也会長:
「大学2年生の夏休みになってくると1週間から2週間のインターンシップも多い。(売り手市場なので)どの会社もできるだけ他よりも早く学生と接触して、早く内定を出していきたい(と考えている)」
企業も学生も焦る就活。競争は激化の一途をたどります。