原発事故後に甲状腺がん 裁判始まる 原告女性「将来の夢よりも治療を最優先」
福島第一原発の事故による被ばくが原因で甲状腺がんになったとして、10代と20代の男女6人が東京電力に損害賠償を求めた裁判が26日から始まり、原告の20代の女性は法廷で、病気により将来の夢を諦めざるを得なくなったと述べました。
この裁判は、福島第一原発の事故当時、福島県内に住んでいた17歳から28歳の男女6人が、事故による被ばくが原因で甲状腺がんになったとして、東京電力に対してあわせて6億円あまりの損害賠償を求めているものです。
26日、東京地裁で開かれた第1回口頭弁論で、原告の20代の女性が意見陳述を行い、「将来の夢よりも治療を最優先してきました。大学も、将来の仕事のための勉強も、全部諦めてしまいました」と語りました。
一方、東電側は請求棄却を求め、争う姿勢を示しました。
甲状腺がんについてはこれまで、専門家らによる福島県の検討委員会が「原発事故との因果関係は考えにくい」という見解を示しています。