第6波で入院急増 高齢者療養のあり方議論
新型コロナウイルスの感染状況などを分析する厚生労働省の専門家会議では、第6波で急増した高齢者の入院について振り返り、今後の療養のあり方について、高齢者医療に関する学会の見解を踏まえて議論が行われました。
厚労省の専門家会議では、日本老年医学会など高齢者医療に関する3学会の見解が示されました。第6波では、オミクロン株の感染拡大で入院する高齢者が急増し、大阪では、入院の7割が70歳以上だったと報告されました。
一方、3学会の見解では、高齢者は入院による環境変化でのせん妄のリスクや、活動が減ることでかえって身体機能が低下するリスクがあるほか、長期間、家族と面会できないことの影響などの課題が指摘されました。
高齢者は現在、原則入院となっており、医療への負荷が高まっている地域では、例外的に、施設や自宅での療養が認められています。
専門家会議は、今後も、入院が必要な高齢者には迅速に対応する必要があるものの、生活の質が低下しないよう療養場所を選択できるようにするなど、今後、高齢者の療養のあり方を検討する必要があると提言しています。