福岡“異臭騒ぎ”…原因は約220キロ離れた「桜島」か 専門家が指摘
21日に福岡市などで起きた“異臭騒ぎ”は原因がわかっていません。そうした中、福岡市から約220キロ離れた鹿児島の桜島が関係している可能性も指摘されています。また、“ある気象条件”も関係していたようです。
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22日、福岡市の空気は普段通り“無臭”でした。福岡市では21日、「鼻をつく異臭がする」と通報が相次ぎました。
街の人からも、「電車降りた時から、硫黄の臭いすると思いました。温泉の時にかぐ臭い」「自宅周りだけかと思ったら、この辺も臭ったから、気持ち悪いです」など、困惑の声があがりました。
記者も自宅で就寝中、硫黄のような臭いで目が覚めたといいます。目が覚めるほどの異臭は福岡市だけでなく、久留米市や佐賀県鳥栖市など広範囲で確認されたということです。市民を不安にさせた“異臭騒ぎ”。各地で火山ガスなどに含まれる「二酸化硫黄」の濃度が高まっていました。
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そして22日、大気環境に詳しい専門家は異臭の原因について、1つの可能性を指摘しました。
九州大学応用力学研究所 竹村俊彦主幹教授
「化学法則に基づいた推定を行いますと、『起源は桜島辺りにある』と考えるのが妥当な結果が得られています」
「鹿児島県にある活火山・桜島から発せられる二酸化硫黄が、福岡方面へ流れた可能性がある」ということです。ただ、福岡市と桜島は、直線距離で約220キロも離れた場所です。これほど離れた場所で、臭いを感じることはあるのでしょうか。
二酸化硫黄がどこで発生して、どのように流れていったのかを示したデータによると、20日午後3時ごろ、高い濃度の二酸化硫黄が、鹿児島県の桜島付近にあることがわかります。その後、いったん南下した後、再び北上し、九州の西側を通って、21日午前9時ごろには福岡市の辺りに広まっていったということです。(データ提供:竹村主幹教授)
竹村主幹教授はこのデータに加えて、“ある気象条件”が関係していたと指摘します。
九州大学応用力学研究所 竹村俊彦主幹教授
「今回は『雨が降った』というのがポイントだと思う。九州北部に(二酸化硫黄が)流れてきた状況で、雨が降ったタイミングと重なって、地面付近に落下してきた」
“雨粒と一緒に臭いの原因である二酸化硫黄が地上付近まで落ちてきたのでは”とみています。
専門家によると、桜島の噴火活動とその後の風向き、さらに雨が重なった上で今回の異臭騒ぎが起きたとみられるということです。