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たまご不足続く GW近づく中で人気のお土産が販売休止・生産縮小に 駅弁のおかずも… 新学期始まった学校給食にも影響

2023年4月10日 22:17
たまご不足続く GW近づく中で人気のお土産が販売休止・生産縮小に 駅弁のおかずも… 新学期始まった学校給食にも影響

たまご不足の影響が深刻です。ゴールデンウイークが近づく中、北海道の「白い恋人」や、福岡の「博多通りもん」など、各地の定番おみやげが販売休止や生産縮小に追い込まれています。また、駅弁会社では、たまごを使ったおかずを別のおかずに変更せざるを得ない状況になっています。そして、影響は新学期を迎えた小学校の学校給食にも及んでいました。

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洋菓子店で仕込み中の店主から大きなため息がこぼれました。悩みの種はケーキづくりに欠かせない洋菓子店の“命”、たまごの不足です。

パティスリークリシュナ 鈴木隆店主
「問屋さんの営業から、『たまごの供給量を前年実績の25%減にするよ』っていう通知があった」

1週間ほど前に発生した鳥インフルエンザの影響で、仕入れ先から突然、たまごの出荷を制限すると知らされたのです。その後、前年に使用したのと同じ量は何とか出荷できると連絡がきたものの、必要な量を注文できないため、“実質的”には出荷制限の状態になっているといいます。

パティスリークリシュナ 鈴木隆店主
「去年が、コロナの影響で売り上げがあまり良くなかった状況でした。今年はコロナの規制がなくなって売り上げの拡大が見込める時期ですので、実質的には供給を減らされるということになってしまいますね」

場合によっては、営業日数や販売する商品を減らす可能性もあるというのです。

さらに今後の不安もありました。

パティスリークリシュナ 鈴木隆店主
「“母の日(5月14日)”“ゴールデンウイーク”、お客さまが多くご来店してもすべてのお客さんの要望には、お応えできないかもしれません。もうお手上げ状態ですね」

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終わりが見えない「たまご不足」。「大型イベント」にも影響を与えています。

今月末から最大9連休のゴールデンウイークがスタートしますが、北海道みやげの定番「白い恋人」は、ホームページに「鶏卵原料不足のため、商品の販売を一時休止させていただきます」と掲載。たまご不足の影響が続き、今も生産数を縮小したままだといいます。中止している通信販売も、“再開のメド”はたっていないといいます。

また、福岡みやげの定番、「博多通りもん」も「たまご不足」の影響で通信販売を休止しています。県内の一部地区では、店舗での販売も休止しているということです。

そして、駅弁の魅力をPRしようと制定された「駅弁の日」の4月10日、ゴールデンウイークに向けますます駅弁の需要が高まる中、「シウマイ」が名物の横浜の駅弁会社では――

崎陽軒 広報・マーケティング 西村浩明部長
「原材料が逼迫(ひっぱく)していて、たまごを使ったおかずを別のおかずに変更せざるを得ない状況」

たまご不足の影響を受け、「幕の内弁当」に入っていた卵焼きを10日からレンコン煮やシイタケ煮に変更。「お赤飯弁当」に入っていた卵焼きを10日から鶏の唐揚げに変更しました。

お客さんからは――

お客さん
「卵焼きは見栄えもいい。彩りがいい、お弁当に」

お客さん
「あんまり変えてほしくない。オリジナルのもとの形で食べたい」

彩りを求める声もありますが、これも主力のシウマイ弁当を変えずに大型連休の繁忙期を乗り切るための苦渋の決断だということです。

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一方、たまご不足の影響は、今月から始まった新学期にも出ていました。

京都市教育委員会・体育健康教育室給食課長 西田幸雄さん
「当面6月ぐらいまでにつきましては、たまごの使用量について少し減らした形で献立の提供を考えています」

京都市内の小学校では、給食のちらしずしなどからたまごを減らし、一部の学校ではたまごをなくす異例の対応をとっています。

さまざまな行事やイベントで重宝されてきたたまご。影響がますます広がりを見せています。