【気象解説】激しい雷雨相次ぐ…ナゼ 台風10号最新の進路は
22日昼すぎにかけて、東京都心部では非常に激しい雨が降り、東京23区に一時大雨警報が出されました。この雷雨の原因や、新たに発生した台風10号の見通しなどを、木原実気象予報士が解説します。
■湿った空気+風の収束で雨雲“急発達”
22日は、朝から関東南部で雨雲が発生していて、局地的に雨脚が強まりました。午前9時すぎからは都内でも急に雨雲が発達し始め、その後、都心部で雷雨になりました。
なぜ都心で激しい雷雨になったのでしょうか。
原因は「非常に湿った空気」と「風の収束」によるものと考えられます。東京付近には非常に湿った空気が滞留しています。22日は、さらにここに湿った南東風が吹き込んでいて、この風が収束した東京都心部で急激に積乱雲が発達したものとみられます。
このように空気が非常に湿っている状況では、風の収束などのちょっとしたきっかけで一気に雨雲が発達してしまうことがあるのです。
■夜にかけて局地的な雷雨に注意
今後の予想を見ると、やはり所々で雨雲が発達し、雷雨になる可能性があります。ただ、いつ、どこで、どの程度、雨雲が発達するのかを具体的に予想することは非常に困難です。
そのため、外を歩いていて「黒い雲が近づいてきた」「雷の音が聞こえる」「急に冷たい風が吹いてきた」など、積乱雲が近づくサインを感じた時には、すぐに頑丈な建物の中に避難するという対処が大切です。
■週明けは台風10号が接近おそれ
22日午前3時に発生した台風10号ですが、こちらも危険な台風となるおそれがあります。台風は今後、発達しながら北上し、27日ごろには強い勢力で西日本や東日本に接近しそうです。台風が列島に近づく27日の段階で中心気圧が965hPaと、かなり発達した台風になりそうですが「近づく前」から注意が必要です。
■台風近づく前から大雨おそれ
週末以降、列島には秋雨前線が顕在化する予想となっていて、この前線に向かって台風が熱帯の湿った空気を送り込み、前線の活動が活発化する可能性があります。
秋雨前線と台風の湿った空気の組み合わせは、危険度の高い長丁場の大雨をもたらすおそれがありますので、今後の情報に注意するとともに、早めの備えを心掛けてください。