倉庫に火をつけ全焼させたか 61歳男を逮捕…マッチ持ち歩く “連続不審火”関連は? 埼玉
埼玉県久喜市や桶川市などで9件相次いでいた連続不審火で、このうち久喜市の倉庫を全焼させたとして、近くに住む61歳の男が6日に逮捕されました。警察は他の不審火との関連も調べています。
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4日、埼玉県桶川市。暗闇のなか住宅からオレンジ色の炎があがり、今にも燃え移りそうな火の勢いに、近くにとめていた車を急いで避難させる様子が、映像に捉えられていました。車の後方を映したカメラには、燃えたものが道路にまで落下し、住宅は激しい炎と煙に包まれている様子が…
──どのあたりから火が?
現場の隣に住む 車を避難させた人(埼玉・桶川市)
「だいたいここですね。物置なんですよ、ここ。火のないところ。ここから熱風が出てガンガン燃えていた。びっくりも何も必死」
火の気のない場所から燃えあがっていたといいます。放火とみられるこの火災。実は、こうした不審火はこれだけでなく…
大町怜央フィールドキャスター(埼玉・久喜市 6日夜)
「久喜市周辺では今月に入って、不審火が相次いでいたということです」
埼玉県では8月1日以降、9件の不審火が確認されていて、久喜市や桶川市などいずれも半径約3.5キロの範囲で発生しています。そして、5日未明に発生した火災について、6日に動きがありました。
大町怜央フィールドキャスター(埼玉・久喜市 6日午後7時ごろ)
「こちらの倉庫を放火し全焼させたとして、61歳の男が逮捕されました」
放火の疑いで逮捕されたのは、久喜市に住む無職の大熊文男容疑者(61)。防犯カメラの捜査などから、関与が浮上したといいます。
──倉庫はどう燃えていた?
火災を目撃した人(埼玉・久喜市 6日夜)
「バーって火が出ていたから。ボンボンボンボンって音してた。まさかこんな近くであるとは思わないから」
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警察によると、6日午前0時ごろ、自宅から自転車で出てきたという大熊容疑者。周囲を徘徊(はいかい)していたところを、警戒中の警察官が発見。職務質問をしたといいます。
その際、大熊容疑者はマッチを持っていて「いつも持ち歩いている」などと説明したということです。その後、任意同行され、大熊容疑者は逮捕されました。
6日夜、取材に応じた大熊容疑者の兄は…
──(大熊容疑者は普段)喫煙は?
大熊容疑者の兄(埼玉・久喜市 6日夜)
「ないと思うよ」
──逮捕時にマッチを持っていたが普段は?
大熊容疑者の兄
「知らないよ、そんなこと」
一連の不審火では、放火の形跡とみられるものが残っていた場所も。
今月4日に不審火被害にあった人(埼玉・久喜市 6日夜)
「これが燃え残ったやつ。マッチ棒があった。俺が使ってるマッチ棒と違うもの。おまわりさんが見つけた。この辺に転がって落ちてた」
そこにないはずのマッチの燃えかすが、落ちていたといいます。
大熊容疑者を知る人は、普段の様子について次のように話しました。
大熊容疑者を知る人(埼玉・久喜市 6日午後)
「近所付き合いほとんどしてない。怖いからみんな近寄らない」
──会ったり話したりは?
大熊容疑者を知る人
「自転車で、さーって行っちゃうから」
──自転車で普段どこ行ってる?
大熊容疑者を知る人
「方面はいつも違うみたい。こっち行ったり、向こう行ったり」
狭い範囲で9件相次いだ、連続不審火。大熊容疑者の自宅は、そのすぐ近くにありました。警察は、火をつけた倉庫まで自転車で移動して犯行に及んだとみて捜査。
調べに対し大熊容疑者は「全く身に覚えがありません」と、容疑を否認しているということです。警察は、ほかの8件の不審火についても大熊容疑者が関与している可能性があるとみて、慎重に調べています。
(8月6日放送『news zero』より)