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旧優生保護法 国の賠償責任認める 14歳で“強制不妊”の原告男性…妻にも打ち明けられず

2024年7月3日 19:42
旧優生保護法 国の賠償責任認める 14歳で“強制不妊”の原告男性…妻にも打ち明けられず

旧優生保護法のもと、約2万5000人が受けたとされる強制不妊手術。最高裁大法廷は3日、国の責任を認める判決を言い渡しました。14歳で手術を受けた原告の男性の思いは…

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3日午後、最高裁前で…

原告 北三郎さん(仮名・81)
「きょうはもう最高です! 無念の思いが伝わりました。ありがとうございます!」

喜びの声をあげた北三郎さん(81)。67年前に受けた“理不尽な仕打ち”に対する戦いに決着がついたのです。

反抗期だった中学時代、問題行動を起こし施設で暮らしていた北さん。

北三郎さん(仮名)
「(施設の)先生から『ちょっと病院に行こう』っていうから、俺はどこも悪くはないんだけどもって言ったら『ちょっと診てもらうところがあるから』って」

14歳の頃、“強制的”に受けさせられたのが“不妊手術”でした。

手術の根拠となったのは、1948年から1996年まで存在した旧優生保護法。障害がある人などを“不良”とみなして「子どもを産むべきではない」とした法律です。

本人の同意なく不妊手術を行うことを認めていて、法改正されるまでに約2万5000人が手術を受けたといわれています。

「一生、独身でいよう」と決めていたという北さんですが、28歳の時に結婚。

北三郎さん(仮名)
「(妻が)よその子供をあやしているのに、俺がこんな手術をしたから子供を産めないんだって」

最愛の妻には、病で亡くなる直前まで“不妊手術”について、打ち明けることができませんでした。

北三郎さん(仮名)(2020年)
「つらい思いを女房にさせてしまっているので、国も一緒になって謝ってもらいたい」

6年前、北さんは国に損害賠償を求め裁判を起こしました。こうした裁判は、全国各地で起こされています。

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今回、最高裁がまとめて審理していたのは、2審でいずれも「旧優生保護法が憲法に違反していた」と認められた5件の裁判。

賠償の請求権が20年たつと消滅する「除斥期間」については、4件で適用しないとして、国に賠償を命じた一方、仙台高裁は「除斥期間」が過ぎたとして賠償を認めませんでした。

3日の判決の最大の焦点は、最高裁が「除斥期間」について、どのような“統一判断”を示すのか。

   ◇

判決の日を前にした3月、北さんが弁護士とともに訪れたのは、書道教室です。

弁護士
「勝ちました!ってなったら、みんなに何て伝えたい?」

北三郎さん(仮名)
「夢みたいですよ」

勝訴した時に備え、裁判所の前で出す北さん直筆のメッセージを書くことにしたのです。それでも…

北三郎さん(仮名)
「ただ不安が胸の中にありますよね。勝ちたいという気持ちはあるんだけど、裁判官がどのようにして私らを見てくれるのかなと思っています」

そして、3日の判決は…。原告たちから出されたのは「勝訴」の文字。

最高裁大法廷は、「除斥期間」は適用しないとする統一判断を示しました。

一番右側に立つ北さん手書きのメッセージには「今までありがとうございます」とありました。応援してくれた人や、ともに戦ってきた原告への感謝の言葉でした。

   ◇

判決を受け、官房長官は…

林官房長官(3日午後4時すぎ)
「本日確定した判決に基づく賠償を速やかに行うとともに、関係省庁で判決内容を精査の上、適切に対応を検討していく考えです」

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