クマの出没が増える中、福井県ではクマを捕獲して個体数を「管理」へ
全国的にクマの出没が増える中、県は今年度から積極的にクマを捕獲して個体数を「管理」する方向に舵を切ります。
9日県庁で開かれたツキノワグマの出没対策について会議には17市町や農林総合事務所の職員らおよそ40人が出席しました。
■県自然環境課 田島正強課長
「個体調整のための計画的な捕獲や、集落への侵入を防ぐ対策を着実に進めたい」
2024年度、県内で4月から8月に確認されたクマの出没は544件と、2004年以降で最多に。
県ではこれまで定めていたクマの「保護計画」を「管理計画」に変更し、積極的な捕獲に舵を切ります。
今年度のクマ対策のポイントは、一言で言うと「保護から管理へ」です。
これまで捕獲できるのは人里に現れたクマだけで、ワナの設置も、出没や痕跡があった場所に限られていました。
つまり住民に害を及ぼす可能性が「著しく高まった段階」でしか捕獲が出来ませんでした。
しかし2023年に、東北地方などでクマが大量出没したことを受け、全国的にクマの個体数を減らす方針となっています。
具体的には、人が住んでいる地域とクマが暮らす山奥の間に「管理強化区域」を設けます。
このエリアには計画的にワナが設置出来るようになります。
ワナの形状も、これまではドラム缶製の箱ワナだけが認められていましたが、格子網を使用したタイプも設置できるようになりました。
さらにクマの捕獲数についても、昨年度までは、県内で年間156頭が「上限」でしたが、今年度からは50頭あまり多い210頭を「目標」に捕獲を進め、クマと人間が安全に共存できる環境を目指します。