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今庄地区特産「つるし柿」 裏年にクマ出没で被害拡大 出荷激減で品評会は中止に

2023年11月28日 19:06
今庄地区特産「つるし柿」 裏年にクマ出没で被害拡大 出荷激減で品評会は中止に

南越前町今庄地区の特産「つるし柿」がピンチです。今シーズンはもともと収穫量が少ない「裏年」であることに加え、山から下りてきたクマに実を食い荒らされる被害も相次ぎ、出荷が激減し、来月の品評会は中止となりました。中止となるのは2010年以来です。(11月28日)


今庄のつるし柿は渋柿のナガラガキを原料に、独特のいぶし方で甘みを熟成させています。例年ならつるし柿づくりは今がピークですが、今シーズンはもう作業が終わってしまいました。

生産者のひとり三浦政勝さん(80)
「最低に近い収穫。基本的に表と裏があって、1年ごとに小さなサイクルがあって、(今年は)もうひとつ。山に餌がなくて、クマが盛んに出てきている。木に登ったクマが枝を折って下で食べる」

柿の木に残るクマの爪痕。三浦さんが出荷できるつるし柿は去年の3分の1の5000個程度にとどまる見込みです。

町内の20軒余りの生産者は今シーズンのつるし柿の生産を断念し、29日の初出荷は3軒のみという異例の事態となっています。

今庄特産柿振興会・赤星弘毅会長
「去年が豊作だったのでその反動で少なくなった。品評会は何軒も出荷してもらって、優劣つけて点数順に表彰させてもらっているので、(今年は)成り立たない」

400年以上の歴史があるとされる今庄のつるし柿。高齢化や担い手不足が深刻な産地で、不作に追い打ちをかけるクマの被害が暗い影を落としています。

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