「100満ボルト」は「エディオン」に サンキューを完全子会社化 県民に親しまれたブランド姿消す 半世紀前に福井の地で創業
福井県民にはおなじみのロゴマーク。創業から半世紀にわたって親しまれた、家電量販店の「100満ボルト」のブランドが3月末で消滅します。各地の店舗は4月から「エディオン」のブランドで再出発します。
100満ボルトを運営するサンキューと、大阪に本社を置く家電大手のエディオンは18日、福井市内で説明会を開き、今後の運営方針を発表しました。以前から資本関係にあったエディオンがサンキューを完全子会社し、4月1日の吸収合併による解散にあわせて「100満ボルト」のブランドは消滅することになりました。
今から49年前の1976年。福井市内で創業したサンキューグループは、郊外に大型の家電量販店「3Qエレキ館」を展開。1996年には名前を「100満ボルト」に変更し、北陸3県をはじめ、北海道や山陰などに進出。現在は32店舗を運営しています。
100満ボルトの福井本店で専門のアドバイザーを務める荒川穣さん(50)です。
■100満ボルト 福井本店 荒川穣さん
「親子にわたって、3Q時代から買い物してもらっている。サンキューが勧めるものを教えてくれという、全幅の信頼をおいてもらえる客も多かった。仕事のやりがいを感じる職場だった」
大学卒業後サンキューに入社して27年。この日も春の新生活のスタートに向けて、家電の購入に訪れる顧客の相談に応じていました。
■客とのやりとり
荒川さん「これはフラットなやつです」
客「こっちの方がいいです」「あれもこれも選んでいくと高くなるのな」
荒川さん「パックで求めてもらうことによる何かしら忖度(そんたく)的なことは…」
客「あるんですか(笑)?」
■100満ボルト 福井本店 荒川穣さん
「家電製品は客が毎日触れることが多い商品なので、より良いものを提案し続けたい」
春からの再出発に、県内の常連客も温かいエールを送っています。
■買い物客
「うちの家電はほとんど100満ボルトで買っている。(何年前からのお付き合い?)50年ほど前から」
「全国の大手が来ているので、そこに太刀打ちするためにはもう一回り大きくなってほしい」
家電量販店を取り巻く環境が厳しさを増す中、エディオンではマーケティングを一本化し、効率的な運営で顧客への還元を目指すということです。
■サンキュー商品支援部 坂下和司部長
「各地に根付いた会社の集合体でつくっているエディオングループ、そこにサンキューグループも入って、今まで通り、地域の人に一番身近で客のためにできることをやっていく」
長年、県民に親しまれた「3Q」と「100満ボルト」のブランド。4月1日から「エディオン」に引き継がれます。