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「赤色顔料」が…新たな謎も 吉野ヶ里遺跡“謎のエリア”墓のフタ開ける 邪馬台国との関連は?

2023年6月5日 21:44
「赤色顔料」が…新たな謎も 吉野ヶ里遺跡“謎のエリア”墓のフタ開ける 邪馬台国との関連は?

佐賀県の吉野ヶ里遺跡で“謎のエリア”と呼ばれる場所から見つかった新たな墓の発掘調査が始まり、5日午前、最大で200キロほどある3枚の石のフタが重機で持ち上げられました。邪馬台国(やまたいこく)が栄えた時代の有力者のものなのか注目される中、新たな謎も出てきました。

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弥生時代の大規模な集落跡で知られる吉野ヶ里遺跡は、歴史書「魏志倭人伝(わじんでん)」に記された邪馬台国と特徴が似ていたことから、「邪馬台国九州説」の根拠とされてきました。

しかし、遺跡からは邪馬台国が存在したとされる弥生時代後期の有力者の墓は見つかっておらず、「邪馬台国がどこにあったのか」という謎は、いまだ解き明かされていません。

こうした中、今年4月に、これまで手つかずだった“謎のエリア”と呼ばれる場所で、弥生時代後期・邪馬台国の時代の有力者の可能性がある墓が見つかったのです。

佐賀県 山口知事(先月29日)
「邪馬台国時代の可能性が高い」

吉野ヶ里遺跡で見つかった墓の中で、最も高い場所に単独で見つかったなどの特徴から、佐賀県は有力者の墓である可能性が高いとみています。今回、墓の中から、それを裏付ける副葬品が見つかるのでしょうか。

そして5日、発掘調査が始まりました。

佐賀県文化財保護・活用室 白木原宜室長
「非常にわずかですけど、赤色顔料・朱なんでしょうけど、赤色顔料が少々見えました。石棺の中が赤く塗られている可能性がある」

身分の高い人物の墓に塗られていることが多い「赤い顔料」も見つかったということです。

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さらに、新たな謎も出てきました。

フタのうち2枚には、外側の表面に「×」のような線が無数に刻まれていましたが、残り1枚の外側には何もありませんでした。しかし、残る1枚には内側の面に線が刻まれていました。

佐賀県文化財保護・活用室 白木原宜室長
「当時の葬儀のあり方といいますか、呪術的なこともふくめた死者に対する扱い方、葬儀の仕方を考えていく上でヒントになるかもしれません」

佐賀県は5日から1週間ほどかけて内部を調査することにしていて、埋葬された人の骨や副葬品が見つかるか注目されます。