北朝鮮“ミサイル” 空中爆発の可能性 韓国報道
弾道ミサイルの可能性がある衛星の発射について、韓国軍は31日早朝、北朝鮮が「北朝鮮の主張する宇宙発射体」を発射したと発表しました。韓国メディアは軍当局者への取材として、発射体が空中爆発した可能性もあると伝えています。
韓国軍は、北朝鮮が午前6時半ごろ、北西部の東倉里付近から南に向けて「北朝鮮が主張する宇宙発射体」を発射したと明らかにしました。韓国政府は北朝鮮に近い地域に警戒警報を発令し、避難の準備を呼びかけました。
東倉里には西海衛星発射場があり、北朝鮮が発射を予告していた「軍事偵察衛星」が打ち上げられたものとみられます。
韓国聯合ニュースは、軍当局者への取材として、発射体は落下予告地点まで行かず、レーダーから消失したと伝えていて、韓国軍が空中爆発や墜落の可能性を含め分析中だとしています。
衛星と称したミサイルの打ち上げは2016年以来、7年ぶりで、金正恩総書記は5月、軍事偵察衛星の発射をめぐり、今後の計画を承認、「国家の安全環境から始まった差し迫った要求だ」と主張していました。
また、30日、朝鮮労働党中央軍事委員会の李炳哲副委員長は国営メディアを通じた談話で、米韓の合同演習やアメリカの軍用機による偵察活動を強く批判しました。その上で、軍事偵察衛星について「アメリカと追随勢力の危険な軍事行動をリアルタイムで追跡、監視し軍事的準備態勢を強化する上で必要不可決である」と主張、打ち上げのタイミングについては「6月にまもなく打ち上げられる」と表明していました。
李氏は「6月まもなく」と述べていたにもかかわらず、結局5月のうちに発射していて、関係国を混乱させる狙いもあったとみられます。