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村の路線バスを無料に…そのワケは? 福島・北塩原村

2024年7月31日 17:54
村の路線バスを無料に…そのワケは? 福島・北塩原村

「住民の足」ともいえる路線バスについて考えます。路線バスが村で唯一の公共交通機関の北塩原村では、すべての住民が無料で乗れる取り組みを8月1日から始めます。なぜ無料化に踏み切ったのでしょうか。

北塩原村で唯一の公共交通機関「バス」。そんなバスをめぐり、村が8月1日から始めるのは…

■北塩原村 総務企画課 佐藤 雅英さん
「こちらの路線バスのICカードと村民証を持ってバスに乗車いただければ無料で利用いただける事業を開始する」

村民が路線バスを無料で利用できる取り組みです。

■住民は
「車の運転もできないからありがたい。みんな無料化だから若い人もありがたいと思う」
「今度はカードぱってね、あれすればいいから(かざせばいいから)便利は便利」

会津バスが今月27日から導入したICカードを機械にかざし、村が発行する村民証を運転手に提示すれば、年齢に関係なく運賃が無料になるというのです。

■北塩原村 総務企画課 佐藤 雅英さん
「自家用車のない高齢者が結構いるのでそういった方にも外出機会を創出したいというところで…」

北塩原村は、人口のおよそ4割が65歳以上の高齢者です。
県の内外に目を向けてみても、高齢ドライバーによる悲惨な事故は後を絶ちませんが、村は、今回の無料化によって、運転免許証を返納したり逆に、車のない高齢者が気軽に外出したりするきっかけにしたい考えです。
もともと赤字が続いていた村内を走るこの路線バス。
今回の無料化によって運賃は村が負担しますが、バスの利用者が増えれば、路線の維持にも繋がると期待されています。
そのうえ、村の外の、喜多方駅や猪苗代駅も運行区間になっていて、遠くに通って働く人や学生にとってもメリットの大きい試みです。

■北塩原村 総務企画課 佐藤 雅英さん
「無料化事業で少しでも残って村から通ってくれる子が増えればいいなと思う」

この路線バス、全国に目を向けてみますと、減便や路線の廃止といったケースが増えています。
その背景にあるのが、運転手の時間外労働の規制を強化するいわゆる2024年問題などで運転手が不足していたり、運行する路線が赤字になっていたりという問題です。北塩原村の無料化の取組みは魅力的な試みかもしれませんが、住民の足でもある「路線バス」をどう維持していくのか、みなさんのお住いの地域でも考える必要がありそうです。

    福島中央テレビのニュース