処理水の海洋放出で心配された福島県産の魚介類の風評…この機会に常磐ものの魅力を広く発信へ アイディア出し合いサッカーファンやキャンプ家族にもアピール
福島第一原発の処理水の海洋放出で懸念されてきたのが福島県産の魚介類「常磐もの」への風評被害です。
ふるさと納税などでの全国からの応援もあり、いまは大きな被害は確認されていません。
そうしたなか、常磐ものの魅力をこの機会により発信していこうと新たな取り組みも始まっています。
サッカーJ2「いわきFC」のファンが集う「いわきFCパーク」です。
この日行われていたのはファン感謝祭。そこでお披露目されたのが…サバ干しフライです。
■スタッフ
「11時になりましたのでサバ干しフライの提供開始します。よろしくお願いします。」
いわきFC公式のスタジアムグルメ!福島で水揚げされた常磐もののサバを使った、その名も「常磐サバ干しフライ」です。
全国でも有名ないわき市のフレンチシェフ萩春朋さんが監修し、特に塩加減にこだわっているそう。ワンハンドで楽しめて応援にもピッタリです。
■試食した人
「あっ!おいしいっす」
■試食した人
「サバがふわふわで、おいしいです」
サッカー観戦のお供には、欠かせないスタジアムグルメ!その土地のおいしいものが食べられると全国的にも注目が集まっています。
宮崎県では地元チームの名前にあやかったハンバーガーが売り出され。徳島県ではこってり好きにはたまらないご当地ラーメンの 徳島ラーメンが人気です!
そうしたなかで、このサバのフライが、いわきFCの公式スタジアムグルメに採用されたのにはワケがありました。
■開発した夜明け市場 鈴木直樹さん
「福島は震災の時からずっとあの、特に水産業は逆境にあるとは思うんですけど、私自身はもうおいしいは絶対だと思っていますので」
福島第一原発の処理水の海洋放出で、風評被害が懸念されてきた、福島県産の魚介類、常磐もの。
全国から多くのサポーターが訪れるサッカーの試合で、サバのフライを提供すれば新たな魅力の発信につながる!そんな思いがあったんです。
■鈴木さん
「こんなおいしいものがあるんだっていうのをわかってもらえるような、そんなような商品にしていきたいなって、思っております。」
一方、常磐ものの魅力を発信する取り組みはこんなところでも…こちらは新地町のキャンプ場です。
キャンプと言えば「肉」かと思いきや!
■小山高弘記者
「いま皆さん調理の準備中ですがきょうはお肉が主役ではなく、このような海産物、常磐ものが主役なんです」
海に面する新地町で、キャンプで食べるのは肉ではなく魚!
風評払拭に取り組むため地元の有志が立ち上がり「ふくしま浜キャンプ飯プロジェクト」を企画しました。
キャンプ場で常磐ものを楽しんでもらおうというのです。
■ふくしま浜キャンプ飯プロジェクト 日下とも子さん
「きょうは漁師さんたちが、ヒラメを持ってきてくださったり、タコを持ってきてくださったりして、子どもさんたちが福島の海産物に直に触れる、え、タコってこんな動きするのってびっくりしてくださる。それだけで価値のある体験と思うので」
この日は、福島県の内外から12組が参加したモニターイベントが開かれ、参加者が自分好みの「浜キャンプ飯」を作りました。
常磐もののイカやアサリなど魚介たっぷりのトマトパスタや…。常磐もののタコを使ったアヒージョ。その味は、もちろん!
■参加した少年
「具材のうま味が出てて、めっちゃおいしいです。」
■男性
「これだけの魚介を入れて作って食べるということがあまりないので、すごくおいしいです」
■ふくしま浜キャンプ飯プロジェクト 日下 とも子さん
「まずはおいしいって感じていただくこと、それによって皆さんがSNSを使って、おいしさを発信したいということで、その輪がどんどんどんどん広がってくださることを期待しています。」