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なぜ起こった?九州道で高齢ドライバーの“逆走”相次ぐ 講習会に参加した高齢者は

2023年10月30日 17:30
なぜ起こった?九州道で高齢ドライバーの“逆走”相次ぐ 講習会に参加した高齢者は
なぜ?高齢ドライバーの“逆走”相次ぐ

大きな事故につながる恐れもありました。10月29日昼過ぎ、九州自動車道で80歳の女性が運転する車が逆走しました。福岡県では9月以降、高齢者による逆走が相次いでいます。

ドライブレコーダーが捉えた映像です。

■車に乗っている人
「えっ?待って!待って!」
「逆走しとる、逆走しとる!」

29日午後1時半すぎ、九州自動車道の八女インターチェンジ近くで、下りを逆走する軽トラックが目撃されました。

■逆走車を目撃した人
「おそらくなんですけど、逆走していると思っていないような感じで走っている。当たり前のように向かってきていたので。」

警察によりますと、八女インターチェンジから通行券をとらずに高速道路に入った軽トラックは、本線への合流地点で本来の下り方向ではなく、右折して、追い越し車線側を上り方向に逆走し始めます。

その後、福岡方面へ向かった軽トラックは、広川サービスエリアに入り、Uターンします。逆走ではなくなりましたが、八女インターチェンジに戻ったところで料金所で止められたということです。

逆走した距離は約5キロに及びました。

軽トラックを運転していたのは筑後市に住む80歳の女性で、警察に対し、「自宅近くのスーパーに行くつもりだった。高速道路の認識はなかった」と話しているということです。

福岡県内の九州自動車道では9月以降、FBSが把握しているだけで3件の逆走が発生していて、いずれも運転していたのは高齢者でした。

国土交通省の調べによりますと、高速道路における逆走は去年までの10年間で、毎年200件ほど起きています。年代別では、逆走を起こした人の7割近くが65歳以上となっています。

■元木寛人キャスター
「こちらの自動車学校では、高齢ドライバーを対象にした運転講習会が開かれています。」

30日、福岡市西区の姪浜ドライビングスクールでは警察やJAFなどが合同で、65歳以上の高齢者向けの講習会を行いました。福岡県の福岡市や糸島市から11人が参加し、サポートカーを体験したり、踏切事故を防ぐための方法などを学びました。

参加した人に『逆走』について聞いてみました。

■80代(糸島市から)
「(高速道路は)怖いと頭にあります。高速はなるべく通らないで、下をゆっくり走っています。」

■70代(糸島市から)
「逆走は考えられないけど、(自分も)今後分からないが、十分気をつけて行かないといけない。こっちですよ、あっちですよという指示があれば、さらに良くなると思う。」

逆走はなぜ起きてしまうのでしょうか。交通事故鑑定人の中島博史さんは、次のように指摘します。

■交通事故鑑定人・中島博史さん
「まず逆走をしている人は、自分が逆走をしていると思っていないことが多いです。本人にとっては道路の左端を走っているというつもりで進んでいることが多い。高速道路だと追い越し車線側を逆向きに走っていることが多々あります。」

中島さんによると、逆走はインターチェンジやサービスエリアなど合流地点、出口のレーンなどで多く起きているといいます。

逆走を防ぐため、高速道路では進入禁止の標識や進行方向を示す矢印を設置しています。福岡市と北九州市の都市高速では74か所、すべての出口に表示を行っています。

しかし、中島さんは物理的な対策には限界があると話します。

■中島さん
「いまこういうところを注意しなくてはいけないということを、カーナビゲーションシステムが案内するということが、現実的な対策になるのではないかと思います。」

福岡県は特に65歳以上の高齢者は、自分の運転に不安を感じた場合は運転免許の返納も検討してほしいと呼びかけています。

万が一、逆走車に遭遇した場合、どのように対象すればよいのでしょうか。JAF福岡支部・セーフティアドバイザーの廣瀬 翔さんに聞きました。

まず、発見した場合は事故を招く恐れがあるので、自分の力で逆走車に注意しようとしないでください。自分の安全を確保し、速やかに警察や道路管理者に連絡して下さい。

普段の運転では車間距離を十分にとることで、万が一、逆走車がいた場合にも早く発見・気づくことができ、回避する余裕ができるということです。

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