ひんやり快適!? 日本有数のカルスト台地・平尾台の鍾乳洞の奥へカメラが潜入
日本有数のカルスト台地・北九州市の平尾台の地下には、鍾乳洞が広がっています。日頃はなかなか入ることができない鍾乳洞の奥へ、FBSのカメラが潜入しました。
福岡県北九州市と、その周辺に広がる日本有数のカルスト台地・平尾台の地下には、石灰岩を雨水や地下水が浸食してできた大小約200の鍾乳洞があります。
そのうちカメラが入ったのは、観光できる鍾乳洞の一つ、目白洞です。
さまざまな危険が伴うため、ここには、ガイドの同行なしでは入れない場所があります。
■地球のかけらHIRAODAI・西中甲児さん
「右はライトがついてあるので、観光鍾乳洞になってます。」
観光鍾乳洞として公開されているのは200メートルですが、カメラが向かうのは、さらにその奥です。
■西中さん
「あの何もライトがない。」
■金鐘翔カメラマン
「この下を行くんですか?」
■西中さん
「この下を行きます。私たちみたいなガイドがいないと、この先は入ることが基本的にはできません。」
ここから先は、迷路のように入り組んだ約2キロの道のりです。光が届かない暗闇を、ヘッドライトだけを頼りに歩いていきます。
■西中さん
「ここから上に上がって行きます。」
■金カメラマン
「あの小さい穴ですか?」
■西中さん
「ああいった場所をくぐって行きます。」
■金カメラマン
「うお、危ない。」
外気や日光の影響を受けないため、洞窟内は1年を通じ、温度が15℃前後に保たれています。
道中には、次のような楽しみもあります。
■西中さん
「いい音ですよね。鍾乳石ですね。」
■金カメラマン
「こんな音がなるんですね。」
■西中さん
「これは太鼓みたいな。大きさとか厚みによって音が変わっていきます。」
鍾乳石の形は、場所によって さまざまです。
■西中さん
「つらら石とかストローと言いますけど、これができて、その滴が地面に落ちて滴が固まっていくとこのようになります。平尾台の気候だと、1センチ成長するのに100年かかる。」
■金カメラマン
「100年ですか!?」
歩き続けること1時間、ここからが本番です。
■西中さん
「ここは落盤帯といって、もともと天井があったんですけど、天井が崩れて岩が塞がっているんです。」
■金カメラマン
「崩れたんですか?」
■西中さん
「はい。だから岩の間を縫って行かないと通れない。」
幅50センチもない岩と岩の隙間を縫うようにして、何とか進みます。その先には、川のようになっているところもあります。ほふく前進で、さらに奥を目指します。
そして、最後に待ち受けるのが『チムニー』と呼ばれる深さ5メートルほどの亀裂です。
■西中さん
「お尻とか膝でもいいですけど、突っ張りながら行きます。」
壁のくぼみや出っ張りに足を置いて、バランスをとりながら、『チムニー』を抜けます。
■西中さん
「この先が目白鍾乳洞の一番奥、 滝のあるポイントです。」
スタートから2時間、暗闇の先に現れたのは、20メートルの落差がある『目白の滝』です。
■西中さん
「いつもよりも若干水量は少ないかもしれませんが、ずっと上のほうから水が流れ込んでいますね。」
■金カメラマン
「わあ、すごいぞ!」
ガイドが同行する初心者向けのツアーを経験した後にしか、『目白の滝』を目指すことはできません。それだけ険しい道のりの先には、地下空間に広がる神秘的な光景が待っています。