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『こどものミライ』 部活の地域移行始まる 北九州市での『学生コーチ』実績は

2023年7月24日 18:30
『こどものミライ』 部活の地域移行始まる 北九州市での『学生コーチ』実績は
子育てを取り巻く現状や子どもたちの成長を見つめるシリーズ『こどものミライ』は、中学校の部活動についてです。教員の負担軽減などから、部活動を学校から切り離し地域のスポーツクラブなどに委ねる改革が進められています。そんな中、将来教員を目指す大学生を指導者として中学に派遣する、試験的な取り組みが北九州市で始まりました。

北九州市門司区の緑丘中学校です。女子バドミントン部の練習に若い男性が加わっていました。顧問の先生ではありません。現役の大学生、高城奏汰さん(21)です。同じ北九州市内にある九州共立大学から派遣された『学生コーチ』で、中学・高校でバドミントンの経験があり、将来は教員を目指しています。

■九州共立大学スポーツ学部3年・高城奏汰さん
「将来、保健体育の先生を目指しているので、教える部分では共通しているので、貴重な体験になると思って。」

6月下旬から学生コーチとなった高城さんは、練習での指導を行うほか、ダブルスのペアの大胆な組み替えも助言しました。

緑丘中学校は16日に行われた地区大会で3位まで勝ち上がり、5年ぶりに福岡県大会への進出が決まりました。部員からは「高城さんの指導のおかげ」との声もありました。

■3年生キャプテン・山口莉心さん
「ずっと目標だった県大会に行けることになったので、うれしかったです。」

■高城さん
「生徒たちの成長を見られるのが何よりもやりがいでうれしかった。」

女子バドミントン部には2人の顧問がいますが、どちらもバドミントンの経験がなく、以前から指導に不安や悩みを抱えていたといいます。

■女子バドミントン部顧問・山村勇太教諭
「バドミントンの専門的な知識がないので、子どもたちに本当のバドミントンを教えてくれるので助かっています。」

別の顧問は、負担が軽減されたと話します。

■女子バドミントン部顧問・原加奈恵教諭(3年担任)
「負担はものすごく減りました。いままではクラスのことも考えながら学年の仕事もしながら部活動もしていたのが、部活にかける力が、だいぶ減ったので、とても助かっています。」

教員の負担軽減などのため、国は今年度から部活動を学校から切り離し地域のスポーツクラブなどに委ねる『地域移行』を段階的に進めようとしています。『地域移行』で課題となるのが指導者の確保です。北九州市のケースでは、スポーツを専門的に学び、将来教員を目指す学生の派遣を九州共立大側から市に申し出て12月までに4校4つの部活動で『学生コーチ』が就任します。大学側は地域貢献のほか、教員を目指す学生の学びや成長につながるメリットもあると話します。学生の派遣を受ける北九州市は次のように話します。

■北九州市教育委員会部活動地域移行・野田久敏担当課長
「大学生が生き生きとしながら生徒も明るく笑顔で部活動ができています。こういうことを考えると持続可能な部活動になってくると思っています。」

九州共立大学は今後、学生や学校、保護者からの意見をとりまとめ『学生コーチ』就任をカリキュラムや単位の認定に取り込むことができるか検証したいとしています。

教員の負担を減らしながら子どもたちの部活動を存続させるために地域の力をどう活用していくのか模索が続きます。
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