「タクシー乗るお金ない」「携帯電話壊れた」 減らない不要不急の119番通報に現場は 福岡市
11月9日は、語呂合わせで119番の日です。福岡市では去年、過去最多件数の119番通報がある中で、本来の目的とは違う通報が減りません。
■入電対応の様子
「119番消防です。火事ですか?救急車ですか?」
福岡市中央区の福岡市消防本部にある『災害救急指令センター』では、市内の7つの区と福岡県の太宰府市や粕屋町など周辺の15の市と町の119番通報を一括して受信していて、火災・事故・救急・救助など人命に関わる声に24時間、365日対応しています。
■山本竜誠 記者
「1時間ほどこちらの場所で取材をしていますが、通報が次々と入ってきて、職員が休む間もなく対応に追われています。」
福岡市消防本部によりますと、『災害救急指令センター』にかかった通報の件数は、去年1年間に17万3698件でした。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、過去最多を更新しました。
通報の中には、「魚の骨がのどに刺さった」などといった、不要不急な通報が約2万8000件にのぼります。
ことしも引き続き去年を上回るペースで、ことし1月から8月末までで9万3000件と、去年よりも1万件以上通報件数が増えています。詳しい理由は分かっていません。
こうした状況に、現場の職員は頭を悩ませています。
■福岡市消防局 災害救急司令センター長・池田稔さん
「相変わらず通報が多くて、救急車が多く出動している状況にあります。通報が多数入りますと、やはり救急車の数が限られていますので、対応に苦労することはある。」
その上で、次のように呼びかけます。
■池田さん
「119番通報は、市民の方々が火災や災害の発生を消防に知らせるもの。そして病院に早くに搬送しなければならない人がいることを、消防に知らせるための緊急回線です。もしもの時に急なときに119番通報に繋がらないことがないよう、119番通報緊急回線のご理解とご協力をお願いしたいと思います。」
救急車を呼ぶのを迷った際には、福岡県の相談窓口『#7119』に電話すると、24時間看護師が対応してくれます。
実際、福岡市消防局にどんな119番通報があったのか見ていきます。
まず、タクシー代わりに使おうとする人です。
「きょう病院に入院予定だがタクシーに乗るお金がないから救急車で送ってほしい」
「隣の人が救急車を利用しているので私も利用したい」と言われたそうです。
さらに、こんなあきれた通報もありました。
「携帯電話が壊れたのですがどこに出したらよいですか」
「いま携帯電話を持っていないのでグーグルで調べてくれませんか」
ケガや病気などとは全く関係ない内容でした。