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【特集】『ポップサーカス』パフォーマー目指す福岡出身の19歳訓練生に密着 北九州市

2023年11月2日 17:53
【特集】『ポップサーカス』パフォーマー目指す福岡出身の19歳訓練生に密着 北九州市
『ポップサーカス』19歳の訓練生に密着

北九州市で開催されている『ポップサーカス』の訓練生として、夢の舞台を目指す福岡出身19歳の奮闘記です。

■先輩
「ちゃんと見てやれよ~バカタレが!」
■ディレクター
「室井さんの仕事はどうですか?」
■先輩
「全然ダメです。全くですね。」

怒られていた青年は、建築現場の作業員ではありません。

夢の舞台、サーカスで一人前を目指す、パフォーマーの卵です。

取材したのは、現在北九州市で開催中の『ポップサーカス』で訓練生として勉強中の、福岡県飯塚市出身・室井成輝さん(19)です。

サーカスに入ったのは、高校の学校行事がきっかけでした。

■『ポップサーカス』訓練生・室井成輝さん(19)
「最初サーカスに期待しないで行って、いざ見てみたら、オープニングからフィナーレまでずっとドキドキしながら見ていました。『自分も働きたいな』『舞台に立ちたいな』と思うようになって、応募してみました。」

それ以降、室井さんは30回以上もサーカスに足を運び、たった一日で夢の舞台のとりこになりました。

室井さんたち訓練生は、サーカスの仕組みを知るために、セットの設営も学びます。

■室井さん
「芸にしても上には上がいるので、サーカスの仕組みが分かっていないと、どこのサーカスでも通用しない。」

設営は、海外のパフォーマーも一緒に行います。

■メキシコ人パフォーマー・アントニオさん
「ぼくの後輩です。」
■ディレクター
「(室井さんは)どうですか?」
■アントニオさん
「ダサい。お友達です。」

■室井さん
「スペイン語や英語の人が多い。」
■ディレクター
「しゃべれるんですか?」
■室井さん
「ちょっとだけ。」

約2週間、先輩たちの手を借りながら舞台作りに励みます。

■メキシコ人パフォーマー・カルロスさん
「こっち?これで合っとるの?逆でしょ?」
「アイム ア ジャグラー!ピエロ。」
「(室井さんは)すごく頑張っている。いま練習、アクロバット。スゴイ。」

室井さんの朝は、筋トレから始まります。

■室井さん
「寝起き10分で懸垂ですよ。ガッチガチだから、懸垂しながらほぐしています。」

室井さんがいま取り組んでいるのは、2人1組で、布を使って演技する『エアリアルシルク』です。演技にはかなりの力が必要なため、筋トレは欠かすことができません。

■室井さん
「あと3セット。もうきつい。」

なんとかきつい朝練を乗り越えた室井さんが次に向かったのは、テント裏のコンテナです。

■室井さん
「ここが住んでいるところです。」

このコンテナこそが、パフォーマーにとっての“おうち”です。

団員は皆、このコンテナと共に全国を渡り歩いています。

この日の朝食は、納豆卵かけごはんとプロテインです。

■室井さん
「プロテインは親が送ってくれる。」
「朝そんなに食べないです。」

ゆっくりできるのもつかの間、あっという間に設営の集合時間です。

こうして、室井さんの一日はスタートします。

そんな室井さん、最近の息抜きはサーカスのゴミ置き場で見つけた『一輪車』です。

■室井さん
「ちょっとだけ。」

こちらも、まだまだ練習が必要なようです。決して楽ではない毎日ですが、その姿には充実感が漂っています。

開幕を翌日に控えた10月6日、会場ではリハーサルが行われていました。今回の公演から室井さんが担当するのは、『後見(こうけん)』と言われるアシスタントです。演技の流れをすべて把握し、舞台の進行を止めないよう、小道具を出し入れしなければなりません。

■室井さん
「新しい動きなので、メモを見ながら覚えていくしかない。でも福岡でやるのが楽しみでしかたないです。」

迎えた開幕当日、会場には満員の1200人のお客さんが詰めかけました。

■室井さん
「お客さんが入ったら雰囲気ガラッと変わるので楽しみです。子どもに戻ったような気持ちになって帰ってほしいです。」

いよいよ、夢のステージが開幕しました。世界各国のパフォーマーから、次々と繰り広げられる“スゴ技”に、お客さんもくぎづけです。

室井さんもスタッフやパフォーマーと細かくコミュニケーションをとって、演技に備えます。

■室井さん
「前からお客さんの視線を浴びたらいつもと全然違う。アシスタントだけど緊張しながら、心臓バクバクでやっていました。」

約2時間の公演を乗り切り、初日の舞台は無事、幕を閉じました。

■訪れた子ども
「たのしかったです。」「すごかった。」

■訪れた客
「手汗が。」「ドキドキ。」

■訪れた客
「サーカス初めて見たんですけど、『すごい~』って。」

■室井さん
「お客さんの拍手や声援を聞くと、テンション上がります。今はアシスタントとして後ろで仕事をしていますが、いつかは自分も舞台の真ん中に出て、自分の芸を見てもらって拍手や歓声をもらえるように。もっとサーカスを楽しんでもらいたいです。」

室井さんの見つめる先には、常にスポットライトの当たるステージがあります。私たちがその姿を見る日も遠くなさそうです。

ポップサーカスは、北九州市八幡東区の『ジ アウトレット北九州』で、12月10日まで開催されています。当日券もあるということです。

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