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「農福連携」で新たなスイーツ誕生

2024年2月20日 19:13
「農福連携」で新たなスイーツ誕生

働き手を求める「農業」と就労の場を求める「福祉」の結びつき、「農福連携」。この取り組みからは、魅力的なスイーツが新たに生まれていました。

赤ぶどうのジャムを、濃厚なバタークリームに混ぜ込んだ新たなスイーツ。その開発を始めたのは、2023年…。手掛けるのは、クリームパンなどを製造・販売する老舗の「八天堂」です。

■八天堂ファーム・林義之社長「最終的には色味のバランスを考えて赤ぶどうでいこうと」
■八天堂・森光孝雅社長「赤ぶどうの方がはえるね」

社長に新製品を提案するのは、八天堂のグループ会社「八天堂ファーム」を率いる林さんです。2人の間で繰り返された、ある「言葉」…。

■林社長「農福連携という取り組みをされている農家さんはいらっしゃらなかったと。農福連携を通じてビジネスで持続可能にしていきたいんだと」

「農福連携」という、余り聞き慣れない単語…。これは担い手不足が進む「農業」と、障害があったり引きこもる一方で就労の場を求める人達を結びつけ、それぞれの課題解消を図る取り組みです。八天堂ファームは、竹原市の社会福祉法人と連携。障害のある人などが育てた農作物を、スイーツに加工…。付加価値をつけて事業を続ける仕組みを目指しています。

■林社長「こちらが2021年1月から作業を開始した八天堂ぶどう園になっています」

「農福連携」の舞台に選んだのは、竹原市小梨町に広がるぶどう畑…。後継者がおらず、長らく放置されていました。

冬は、実をつけるまでの大切な準備期間…。社会福祉法人からの2人も働いています。
二十歳のこの青年…。小学生の頃から不登校がちで、引きこもりが続いていましたが、1年前にここにやってきました。目指すは社会復帰。通信制高校に通いながら、週に3日間働いています。「自分を他人と比べて情けなく思っていたが、ここに来て誰もそうは思っていないと分かり、前向きになれた」と語ります。

■林社長「この場所で働く楽しさや社会に復帰したいというモチベーションを醸成できるような場所にして、そういう方々が循環できる場所にしていきたい」

一方で、八天堂ファームにとっては、ぶどうの栽培自体が未知への挑戦…。時にはこんな出来事も…。

■林社長「9000房袋がけしたうちの5000房イノシシに食べられた、辛い1年目だったんですけど」

そして工夫を重ねること3年…。シャインマスカットなど10種類1万5000房を収穫するまでになりました。
新たな取り組み「農福連携」から生まれた、その名も「バターサンドウィッチ赤ぶどう」です。この日は、出来たばかりの試作品を、八天堂の社長が初めて試食します。商品化の可否を決める瞬間です。

■森光社長「うまい!」
■林社長「ありがとうございます」
■森光社長「バターにこだわっている感じがする口溶けが抜群だなこれが。お客さんに喜んでもらいその向こうにある農福連携に貢献できればってかんじがするね。ぜひ一緒になってやっていきましょう」
■林社長「よかった」

これで、商品開発が続くことになりました。

■林社長「まずはほっとしています。全国の農福連携事業者さんに貢献できるようなモデル作りをぜひ実現したい」

バターサンドは、1月から関東の一部の店舗で販売。広島での発売も検討するとしています。農業と福祉が手を結び雇用を創出する「農福連携」…。新たな試みが、人と地域を元気づけます。

【2024年2月20日 放送】

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