「被爆前の広島の暮らしを知ってほしい」白黒写真のカラー化に取り組む大学生が活動を映画化へ
広島出身の大学生が、被爆前に撮影された白黒写真をカラー化する取り組みを続けています。そして2025年の公開を目指し、映画の制作も手がける若者の思いです。
原爆投下前、「産業奨励館」を背景にした幼い兄弟の写真。
人工知能を使って色付けすると…当時の情景がカラーでよみがえります。
■カラー化に取り組む庭田杏珠さん
「原爆が投下されるほんの少し前までは、今と変わらないような温かな日常があって、それが失われたことを想像できたときに初めて自分自身との距離が縮まった」
東京大学4年の庭田杏珠さん。高校のころから地元広島で「記憶の解凍」プロジェクトとして白黒写真のカラー化に取り組んでいます。
展示会を開くなど、原爆で失われた暮らしをより多くの人に知ってほしい、と活動してきました。
この春大学を卒業する庭田さんは、被爆者の体験や自らの経験などをまとめた長編映画を制作中です。被爆80年となる2025年夏の公開を目指し、資金をクラウドファンディングで募っています。
■庭田杏珠さん
「国内外30人以上の戦争体験者1と直接お会いして、時間をかけて思いを受け取ってきました。重みのある、すごく温かい言葉ひとつひとつを丁寧に届けたいなと思っています」
庭田さんが共同監督を務める映画「記憶の解凍」のクラウドファンディングは、3月31日まで受け付けています。支援者への特典のうち平和公園をめぐるツアーは、23日の午前8時締切です。
【2024年3月22日放送】