JR芸備線再構築協議会の初会合 備後庄原から備中神代間の存廃を議論 広島
JR芸備線の存廃を議論する「再構築協議会」の初会合が開かれました。JRが利用状況の厳しさを訴えた一方で、沿線の自治体からは鉄道維持を求める声が相次ぎました。
広島市内で開かれたJR芸備線再構築協議会の初会合。
中国運輸局長や広島、岡山県の副知事、JR西日本広島支社長など20人が出席しました。
広岡研二 広島支社長
「大量輸送という観点で鉄道の特性を発揮できていない。今よりも地域の皆さんにとって便利で持続可能性の高い交通体系の実現に向けた議論がしたい」
再構築協議会はJRが備後庄原・備中神代間の存廃を議論したいと国に要請し設置されました。JRは会合で、1キロ当たりの平均利用者数が1日48人との厳しい利用状況を説明。
これに対し、広島県と庄原市はコロナ禍後に好転している経営状況を指摘し鉄道が維持できない理由の説明を求めました。
広島県 玉井優子副知事
「JR西日本の経営状況は新幹線・不動産事業等で収益を大きく伸ばしている。内部補助の枠組み整備をふまえた全国ネットワークの方向性を示していただくようお願いする」
庄原市
「高校生や高齢者など交通手段を持たない市民の移動を支える上で欠くことのできない輸送資源」
また、岡山県は議論を進めるため「共通認識」が必要であるとしJRに詳細なデータの公開を要望しました。
岡山県副知事
「協議を始める前提として非公開とされたデータも改めて公の場で示していただき議論をしていく」
ついに始まった国を交えた議論。地元住民からは不安の声が…
「比婆山駅ができた時からお店があるので(芸備線が)なくなると(店が)一緒になくなるという不安があります」
庄原市ではおととい、芸備線存続を訴える市民集会が開かれました。およそ400人が廃線による地域の衰退を危惧し、利用しやすいダイヤへの改善を求めました。
一方、協議会に期待する声も聞かれました。
「インバウンド外人さんに来て頂くというそういう方向に持っていったら必ず生き残りは出来ると思います。期待ばかりしています」(2’46)□電車+協議会
住民の不安と期待が交錯する中、きょうの初会合ではJRと自治体の溝が改めて浮き彫りになりました。
協議会は5月に幹事会を開く予定で今後、3年をめどに結論を出すとしています。
【2024年3月26日 放送】