まもなく休館の大和ミュージアム 池上彰×館長のスペシャル対談
リニューアルのため2月17日から休館する呉市の大和ミュージアムをジャーナリストの池上彰さんが訪ねました。大きな期待がかかるリニューアルについてミュージアムの館長に話を聞きました。
NHKの記者時代、呉に勤務していたこともある池上彰さん。戦艦大和や造船の歴史を学べる「大和ミュージアム」を訪ねました。
館長「これは本当にちゃんと浮く前提の設計で作ってますから。これを作っている時ですね、造船所に時々チェックに行くと『これいつ走らせるんですか』って聞かれたことがあるぐらいの」
池上「えーっ!?」
10分の1サイズで作られた戦艦大和はミュージアムのシンボルとして親しまれてきました。そこには数え切れないほどのこだわりが詰まっています。
池上「プロペラが出てきました」
館長「この船の中でプロペラはけっこう自慢なんですよ。戦艦大和の本当のスクリュープロペラのオリジナルの図面が残っていたんですよ。ですから
スクリュープロペラを作る専門メーカーに大和の図面を渡して、これの最後の寸法のゼロを一個とばして作ってくれればよろしいと10分の1になってしまうと。技術的には本物とまったく同じと言っていいんです」
池上「これはこれで美しい。『機能美』っていうんですよね、こう
いうのね」
戦艦大和は世界最大の主砲を備え、「造船技術の結晶」と言われました。戦後、その技術は継承され現在の造船業を支えています。大和ミュージアムが
オープンしたのは2005年4月。開館から20年の節目に、展示をさらに充実させるリニューアル工事のため休館します。
館長「オープンしてから新しい資料がどんどん蓄積されたり、新しい事実がわかったりして、いろいろ見てもらいたいものがたまるんですね。中途半端にやって中途半端な結果になったらつまらないと思って、思い切って一年間クローズして本格的に新しいものにしたいと思ったんです」
リニューアルで充実されるのは航空機製造技術の展示です。現代に繋がる技術と歴史をより深く理解してもらうことが狙いです。
館長「もう私の歳ですでに戦後生まれなんですよ。ですから今や実際の戦争体験者から話を聞くことが難しくなっている。そういう中で戦争を知らないような私たちが戦争をさらに知らない世代にどうしたら正しく物事を伝えられるかという本当にそこに一番力を入れて、それを根底に考えています」
池上「やっぱり館長さんに直接お話をうかがうと、さらにより深く理解が
できたと思いますね」
館長「まだまだ不十分ですけど」
池上「不十分というよりまだ話したりないでしょ? それはまたリニューアルして、色んなお客さんが来たらぜひうんちくを傾けて頂ければと思います」
館長「またぜひ来てください」
大和ミュージアムの戸髙館長と池上彰さんの対談は2月14日から大和ミュージアム公式YouTubeチャンネルで配信しています。
【2025年2月14日放送】