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南海トラフ巨大地震などの大災害時に備え 県内の水道の耐震化の現状と課題とは【徳島】

2024年4月2日 12:51
南海トラフ巨大地震などの大災害時に備え 県内の水道の耐震化の現状と課題とは【徳島】
能登半島地震から4月1日で3か月となりました。

復興作業が進められている中、長引いているのが水道の復旧です。

南海トラフ巨大地震などの大災害時に備え、徳島県内の水道の耐震化はどこまで進んでいるのか?

現状と課題を取材しました。



2024年1月、最大震度7を観測した能登半島地震。

発生から3か月たった今もなお、石川県珠洲市や輪島市など約7860戸で断水が続き、住民は不自由な生活を余儀なくされています。

こうした教訓を糧に大規模災害に備えようと県は、2024年2月、市町村の担当者らでつくる断水対策ワーキンググループを設置しました。

3月の会合では、震度6強程度の地震に耐えられる県内の水道施設の耐震化適合率の現状が示されました。

(県安全衛生課 土井靖仙課長補佐)
「令和4年度末のデータで、県内の耐震化適合率は29.1%。全国の平均は42.3%で、全国平均より本県は下回っている状況です」

厚生労働省がまとめた、給水人口5001人以上の上水道事業を行っている自治体ごとの耐震化適合率によると、県内ではつるぎ町の12.0%から板野町の61.4%と、ほとんどの自治体が60%程度までにとどまる中、北島町だけは100%となっています。

そして、会議の中で進まない耐震化の理由として挙げらえれたのが、「財政」と、技術者をはじめとした「人手不足」です。

県内の上水道職員の推移を見ると、2006年には356人でしたが減少傾向をたどり、2020年には約2割減の280人となっています。

こうした厳しい背景の中、耐震化適合率100%の北島町に現状を聞きました。

(北島町水道課 上野清志課長)
「水道管の総延長に対する耐震化率ではなく、基幹管路としての耐震化率になります。その延長は1108mで、ほかの市町と比べてかなり距離が短いので、耐震化率100%と高い数字になっています」

耐震化適合率の対象は、取水施設から浄水場、そして配水場を経た導水管、送水管、配水本管の基幹管路と言われる部分です。

各家庭まで水を送る配水支管などは含まれていません。

北島町は面積が小さく、形もコンパクトなため、ほかの自治体と比べて基幹管路が短いことから耐震化が進みました。

現状の問題点と課題については。

(北島町水道課 上野清志課長)
「やっぱり、技術系職員が慢性的に不足しているところと、財源の確保が難しい。北島町もどこもです。これからどう財源を捻出していくかが、課題と考えています」

財源の捻出、そこでいま、北島町が取り組んでいるのが鳴門市との共同浄水場の建設です。

もともとそれぞれの浄水場が近くにあったこともあり、共同建設の話が進み、2021年度に工事が着工され、供用開始は2026年度の予定です。

(北島町水道課 上野清志課長)
「共同整備することで、8億円の建設費の削減効果が見込まれています。また供用開始で一緒の共同浄水場として人員とか運営していくので、人件費、維持管理費が削減できると考えています」

こうした取り組みなどを受け、広域行政を司る県は。

(県安全衛生課 土井靖仙課長補佐)
「広域化の取り組みのひとつとして、各市町村と資材の共同購入でスケールメリットを生かしたコスト縮減が期待できる事業を、令和4年度から経営基盤を強化する一環として行っています」

そして、耐震化率向上など大災害時への備えについて、次のように述べました。

(県安全衛生課 土井靖仙課長補佐)
「能登半島地震の教訓を踏まえて、重要給水施設、病院や避難所などの水道施設を優先的に耐震化計画の加速させる検討が必要だと考えています。今後とも水道事業者である市町村と連携を図りながら、持続可能な水道事業の実現に向けて取り組んでいきたい」

耐震化に向けはっきりと見えた「財源」と「人手」という2つの課題。

県、そして各自治体には、この課題に向き合いながらの取り組みが求められています。



なお、耐震化適合率100%の北島町では、今後、避難所や医療機関などの施設に向けた耐震化を重点的に進めていきたいということです。

厚生労働省では、2028年度までに耐震化適合率60%を目指しているということですが、達成に向けては国の支援が不可欠です。
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