【県は継続の姿勢】助成金不適切受給めぐる外部通報 第三者機関設置前の内部調査の中止を申し入れ
熊本県の旅行支援事業における不適切な助成金の受給をめぐり、県の幹部が見逃すよう指示したとする外部通報があった問題で、県が第三者機関の設置の前に進めている内部調査について、通報者の代理人弁護士が26日、蒲島知事に中止を申し入れました。
この問題は、県の旅行支援事業をめぐり、TKUヒューマンが販売していた旅行商品が助成要件を満たしておらず不適切受給の疑いがあることと、県の幹部がこの疑いを見逃すよう指示していたとする外部通報が報道機関に対して行われたものです。
熊本県は、外部通報が求めている第三者機関による調査を検討していますが、その前に県庁内部でヒアリングを行うなど調査を進めています。
これについて、代理人弁護士は26日、蒲島知事宛に文書で内部調査の即刻中止を申し入れました。申し入れ書によりますと、「このままでは第三者機関が、県が実施した内部調査の追認機関に終わるのではとの懸念を持っている」と指摘しています。
申し入れについて、蒲島知事は。
■熊本県 蒲島郁夫知事
「県の事業の調査ですので、この事実を明らかにするために県がまったく関与しなくてできるかと。それは事実上、不可能と思う。第三者機関においても同じ質問をしていただく機会がありますので、このやり方が一番、県民の方々の『正確にやってほしい、公平にやってほしい』という声に応えられる」
このように述べ、引き続き内部調査を進める考えを示しました。
政治学が専門で行政に詳しい熊本大学の鈴木桂樹名誉教授は。
■熊本大学 鈴木桂樹名誉教授(政治学)
「県としてもしっかり調査をしたいという思いは、分からなくはないです。ただ一つ欠けていることでいえば、今回外部通報されてしまったということ自体、県の制度や調査に対して、不信や不安があった。だから外部通報という手段が取られたということの重みを、もう少し重く受け止めるべきという印象を持ちました。第三者委員会に徹頭徹尾協力する体制を整える。そのことが、翻って県の行政の信頼回復につながると思う」