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大災害で課題となる子どもの心のケア 熊本地震で震度7観測した益城町の取り組み

2024年1月19日 11:00
大災害で課題となる子どもの心のケア 熊本地震で震度7観測した益城町の取り組み
能登半島地震の被災地では今後、子どもたちへの心のケアが課題となってきます。熊本地震で震度7を2回観測し大きな被害が出た益城町では、8年近く経った今でも子どもたちへの心のケアの取り組みを続けている学校があります。

益城町の益城中央小学校。毎週、授業前に全校児童で行っていることがあります。それは…。

( アナウンス)「机の近い人と2人組のペアを作ってください。では、ペアの人の肩をゆっくり優しくトントントントンとたたいてみましょう」

互いの肩を優しくたたき合う子どもたち。8年前から続けている「ふわっとタイム」です。きっかけは熊本地震。地震で生活が一変した子どもも多く、不安や心の緊張が少しでもほぐれればと、養護教諭やスクールカウンセラーの提案で始まりました。内容は1か月ごとに変わり、どれも簡単にできるリラックス法です。

熊本地震のときはまだ幼く、当時を覚えている児童は多くはありませんが、能登半島地震の影響もあり、今もスクールカウンセラーに相談を続ける保護者もいるといいます。

■益城中央小学校 永谷果歩養護教諭
「家の方の不安とかを子どもたちもやっぱり感じ取ってしまうことも多いのかなと思う。日頃から私たちも、子どもたちを見守って寄り添っていく必要がある」

熊本地震から8年経った今でも「ふわっとタイム」は、子どもたちにとって心を落ち着かせたり、ふれあうことで優しい気持ちになれたり大切な時間です。

(アナウンス)「心がふわっとなりましたか?きょうも1日元気に過ごしましょう」

■6年生
「いつも自分でやったりするけど、友達と一緒にやることでいつもより気持ちよくできた」
■6年生
「いつもと違う感じがして、ちょっと楽しかったです」

保育の研究をしている尚絅大学短期大学部の増淵千保美教授も、同じ経験をした学校の先生や友達と気持ちを共有できることは、心のよりどころになると話しています。

■増淵千保美教授
「あの時のことを思い出して、ちょっと心がザワザワするなと思った時、でももう何年も経っているからこう言っちゃいけないとか、そういうことはあまりしない方がいい。不安な気持ちになっているんだよねとか、そういうのを出せるような周りの環境があるといい」

また、家庭内での子どもの心のケアについて増淵教授は、子どもが不安な気持ちを話をしてくれた時は、根掘り葉掘り聞き出すことはせず、理解して受け止めることが大切だと話しています。さらに、能登半島地震以降、テレビやネットであふれている災害状況の視聴を子どもに控えさせたり、逆に親子で共有したりすることで安心につながることもあると言います。

■増淵千保美教授
「あの時こんなことがあって、こういう応援をしてもらったよとか、まだあなたは小さかったけど、こんなふうにして過ごしたよとか、不安ばっかりじゃなくて、ちゃんと応援してくれる人たちがいるんだよというところを一緒に共有できると、子どもたちも少し安心していくのかなと思います」

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