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ところてんの材料・テングサ 産地の氷見は今年不漁

2024年5月24日 19:56
ところてんの材料・テングサ 産地の氷見は今年不漁
ところてんや寒天の材料となる海藻の テングサ。県内の主な産地である氷見では今年、水揚げが激減しています。これから夏に向け旬を迎える中、関係者に懸念の声が広がっています。梅本記者の取材です。

涼をいざなう、のどごしの良いところてん。夏の代表的な味覚のひとつですが、材料となるテングサについてショッキングな情報が生産者のもとに飛び込んできました。

田村食品 田村 大社長「壊滅的な状況だとお伺いしとったもんで。ショックでしたね、はっきり言って、目の前が真っ暗になりました」

ところてんを生産して50年近くになるという高岡市の田村食品です。氷見産のテングサにこだわり、最盛期となる春から夏にかけては、1か月におよそ8万食を出荷しています。

しかし、氷見のテングサを十分に確保できない可能性がでたのは、今回が初めてだということです。

田村社長「やっぱり地元のテングサを使っているというアピールができるもんで。とりあえず去年仕入れた原料がありますので、5月6月中くらいまでは、去年の原料で対応させていただき、あとは、県外から仕入れたテングサで。苦渋の決断ですけど、それで対応させていただこうかと思っています」

テングサ漁が盛んな氷見市の阿尾漁港です。能登半島地震では港の施設が損傷したり、津波で船が流されたりするなど被害がでました。

地震の爪痕が残るなか漁は5月19日に始まりました。

しかし、テングサが津波で泥をかぶって生育環境が悪化していて、水揚げは例年よりも大きく減るだろうと話します。

テングサ漁に携わる人「ぜんぜん生えとる所と生えていない所がある」

一方、もう一つの産地、氷見市間島の組合は、今年のテングサ漁を中止しました。

地震の影響でテングサをとる輪島の海女の協力が得られなかったことや、泥をかぶったテングサの生育が悪いことから、泣く泣く中止を判断したといいます。

県内のテングサの水揚げ量は、およそ50年前の100トンをピークに減少が続いていて、去年は1.5トンまで落ち込みました。

主な産地は氷見市だけとされている中、今年は去年の半分程度になるという見方も出ています。

テングサ漁に携わる人「去年も少なかったけど今年も少ない、去年より少ないかもしれん。今、氷見市でここだけやいう話やし、テングサ、ほかの所も少なくなっとるいうことは、ここも少なくなっとるし、来年どうなるかわからん」

田村食品の田村 大社長は、県内産の商品を求める消費者の要望に応えたいと、水揚げの回復を願っています。

田村社長「氷見でとれた、能登半島産テングサというブランドを、来年は、できればまた生かしていきたいなとは思っているんです」
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